MLBの今季ゴールドグラブ賞が3日(日本時間4日)発表され、ロッキーズの三塁手ノーラン・アレナド(29)がデビューから8年連続で受賞した。

三塁手では16度のブルックス・ロビンソン、10度のマイク・シュミットに続いて史上3番目に多い受賞となった。ア・リーグでは、ロイヤルズの左翼手アレックス・ゴードン(36)が8度目の受賞となった。

球団別ではカブス、マリナーズ、インディアンスからそれぞれ2選手が受賞。マリナーズの一塁手エバン・ホワイト(24)は、1957年に創設された同賞の歴史の中で、新人一塁手初の受賞となった。球団では、2001年にイチローが受賞して以来の新人でのゴールドグラブ賞受賞だった。

ア・リーグ投手部門のファイナリストに入っていたツインズ前田健太(32)と、ナ・リーグ左翼手部門のファイナリストに入っていたレッズ秋山翔吾外野手(32)はともに受賞はならなかった。担当記者が分析する。

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今季のゴールドグラブ賞は、サプライズ受賞が多かった。

コロナ禍でシーズンが60試合に短縮されたこともあり、選出方法を従来の投票主体から、セイバーメトリクスの守備指標オンリーで決めるよう変更したことが影響した。両リーグ受賞者18人中11人が初受賞となり、これまで受賞の常連レベルだった選手が最終候補3人にも入っていないケースも。メジャー6年目にして初めて選出されたレンジャーズの右翼手ギャロ、新人一塁手としては史上初受賞となったマリナーズのホワイトらの選出は、意外性があった。

一方、デビューから8年連続受賞のロッキーズ三塁手アレナドは、これまでの投票主体の選出がデータ上でも妥当であることを証明した。

選出の基になった指標は、米野球学会によるSDIと呼ばれるもので、スタットキャスト(Statcast)などのデータが利用されている。これによるとア・リーグ投手部門受賞のエンゼルスのキャニングは1・4、ツインズ前田は1・0で僅差の2位タイだった。

ナ・リーグ左翼手部門受賞のカージナルスのオニールは7・0と他を圧倒しており、レッズ秋山は1・8で3位だった。【水次祥子】