巨人のエースに熱視線が注がれる。ヤンキースが巨人菅野智之投手(31)のポスティングシステムによる米球界挑戦に備えて、調査を進めていることが25日、分かった。巨人と菅野しだいだが、ポスティングが決まれば、獲得に向けて本格的に動きだす構え。松井秀喜以来となる巨人-ヤンキース路線の開通となるか。

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ヤンキースが動く。巨人菅野がポスティング申請した場合、盟主が獲得に向けて本格参戦することが分かった。複数の米メジャー関係者によると、ヤンキースは今オフFAとなった田中将大投手(32)との残留交渉を継続する一方、これまで菅野の周辺調査を進めており、交渉解禁となり次第、一気に動きだすものとみられている。

2009年以来、過去11年間、世界一から遠ざかっているヤンキースにとって、先発投手陣の強化は最優先課題とされる。昨オフ、剛腕コールを獲得したとはいえ、今季は地区制覇を逃しただけでなく、ポストシーズンでレイズに完敗。地区シリーズ第2戦では「オープナー」の奇策で敗れるなど、先発陣のコマ不足が浮き彫りとなった。

FAとなった田中、パクストンとの交渉経過次第だが、17年WBCの準決勝(対米国戦)で好投し、今季開幕13連勝を遂げた菅野への評価は極めて高い。

現行のポスティングシステムの場合、全30球団との交渉が可能とはいえ、譲渡金を含め、条件面でヤンキースと互角に争える球団は限られる。ドジャース、カブス、レッドソックスなど資金力豊富な球団が参戦するとしても、菅野争奪戦は、大本命ヤンキースを中心に進むことになりそうだ。

◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。コロナ禍の今季は申請期間が1週間繰り下げられ、11月8日~12月12日。MLB事務局が契約可能選手を全30球団に通知後、獲得希望球団と30日間交渉できる。当初は最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、18年オフからは選手が結んだ契約の総額に応じて譲渡金の額が決まる変動制に改定された。