ポスティングシステム(入札制度)を利用して米球界挑戦を目指していた日本ハム西川遥輝外野手(28)の移籍はかなわなかった。

昨年12月3日に球団からポスティング申請が行われ、代理人のジョシュ・パーセル氏が交渉を行ってきたが、米国東部時間2日午後5時(日本時間3日午前7時)に期限を迎え、契約がまとまらなかった。

西川は昨季、キャリアハイの出塁率4割3分で42盗塁をマーク。高い出塁率と俊足を評価され、アストロズ、ダイヤモンドバックス、カージナルス、ブルージェイズなどが本格的に調査を行っていた。西川は日本ハムの保留者名簿に公示されており、残留となる可能性が極めて高い。

昨オフは広島の菊池涼介内野手(30)が同システムでメジャー挑戦を目指したが、交渉期限の約1週間前に断念。広島と4年契約を結び、残留した。

◆西川遥輝(にしかわ・はるき)1992年(平4)4月16日、和歌山県紀の川市生まれ。智弁和歌山では甲子園に春夏通算4度出場。10年ドラフト2位で日本ハム入団。広島との16年日本シリーズ第5戦で9回2死満塁からサヨナラ本塁打。盗塁王3度。通算盗塁成功率8割6分4厘は、200盗塁以上の選手で歴代1位。ベストナイン2度、ゴールデングラブ賞4度。181センチ、79キロ。右投げ左打ち。

◆ポスティングシステム 海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。以前は最高入札額を提示した球団が独占交渉権を得たが、現在は譲渡金支払い意思のある全球団と交渉できる。日本球団への譲渡金は、選手が契約で保証される額によって変動する。メジャー契約の場合、保証額のうち2500万ドル(約26億2500万円)までの部分の20%、2500万ドルを超えて5000万ドル(約52億5000万円)までの部分の17・5%、5000万ドルを超えた額の15%の合計となる。契約期間内に獲得した出来高払いの額からは15%が追加で支払われる。