メジャー移籍を断念した巨人菅野智之投手(31)の代理人を務める「ワッサーマン・グループ」のジョエル・ウルフ氏が8日(日本時間9日)、オンライン会見で日本報道陣に対応し、1カ月間にわたる交渉の経過などを明かした。

菅野に対しては6球団が正式なオファーを出し、最終日まで交渉を継続。期限2分前の米西部時間7日午後1時58分(同8日午前6時58分)、最終候補として残った球団のGMへ、巨人に残留することを伝えた。同氏は「とてもタフな決断だった。ただ、彼には明確なラインがあった。後悔していないと思う」と語った。コロナ禍の影響で各球団の財政が厳しく、市場の動きが鈍かった実情も補足した。

交渉中は同氏を代理人とするダルビッシュ有(パドレス)、前田健太(ツインズ)の両投手らが電話やテキストなどで助言し、菅野をサポート。通算235本塁打のノーラン・アレナド内野手(ロッキーズ)からは「若い選手であれば、すぐに挑戦した方がいい。だが、君の場合、金銭でなく、将来の幸せのために」と、菅野の実績を尊重したうえでアドバイスを受けたことを明かした。

菅野がFA(フリーエージェント)となる来オフは、バーランダー(アストロズ)シャーザー(ナショナルズ)ら大物先発投手がズラリ。それでも「心配はしていない。彼らはビッグネームだが、年齢が高い。菅野サンのような選手を探すことはとても難しい。彼の名前がロースターにない球団は後悔するだろう」と自信をのぞかせた。