今季初の「3番DH」で出場したエンゼルス大谷翔平投手(26)が、起死回生の逆転2ランを放った。1点を追う9回2死一塁、レッドソックスの守護神バーンズの96・6マイル(約155・5キロ)の内角直球を捉え、右翼ポール際へ運んだ。

2死からトラウトがポップフライで万事休すかと思われたが、右翼へのポテンヒットとなり、ギリギリでつないだチャンス。直後、初球を捉える強烈な一撃の12号を放った。

メジャーで9回以降に放った決勝弾は初。土壇場で3番の仕事を果たし、「すごい大きいと思いますね。今日負けるか、負けないかでは、だいぶ大きいですし、ウチとしても(終盤で)リリーフのエースクラスを切ってる(使っている)ので、なんとか勝てたことは大きいかなと思いますね」と充実した表情で振り返った。

第4打席まで無安打に抑えられていた。1回2死の第1打席は右腕イオバルディに対し、カットボールを引っ張り、二ゴロで凡退。第2打席は4点先制した2回2死一、二塁、2ストライクから内角の96・6マイル(約155・5キロ)の直球に空振り三振を喫し、チャンスを生かせなかった。

5回1死の第3打席は同投手の98・6マイル(約158・7キロ)の内角低め直球をスイングし、三ゴロ。これが送球エラーとなり、出塁した。その後、2死一塁からウォルシュが左翼の名物グリーンモンスターを直撃する二塁打を放ち、大谷は一気にホームを狙ったが、左翼手からの好返球でタッチアウトとなった。

7回は左腕テーラーの初球、94・5マイル(約152キロ)の高め直球を捉えたが、右飛で凡退した。

4点差を逆転される重苦しいムードの中で9回2死からの逆転2ランで流れを変え、自軍ベンチを一気に盛り上げた。チームは連敗を4でストップ。5打数1安打2打点で決勝弾を放った大谷は勝利の瞬間、ベンチから真っ先に出て喜び、チームメートを出迎えた。

▼大谷が9回2死から逆転2ラン。エンゼルスの選手が9回2死から逆転、または勝ち越し弾を放ったのは、13年ハンク・コンガー以来、8年ぶり。過去20年では4度目。コンガーは8月31日のブルワーズ戦で4-5の9回2死二塁で代打出場し、逆転2ランを放った。