米オールスター前日に開催される人気イベント、ホームランダービー(本塁打競争)が12日(日本時間13日午前9時スタート予定)、ロッキーズの本拠地クアーズフィールドで開催される。全30球団の中から、力自慢のアーチスト8人が集結。両リーグトップ33本塁打のエンゼルス大谷翔平投手(27)は第1シードとして、初出場初優勝に挑む。優勝賞金100万ドル(約1億1000万円)を懸けた争奪戦のライバル7人の横顔を紹介する(丸数字はシード順位)。

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<2>ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ) 外野手。2012年ドラフト1巡目全体39位で入団し今季7年目の大砲。マイナー時代には1Aの本塁打王やアリゾナ教育リーグ歴代最多となる18本塁打を記録するなど、そのパワーでいくつもの新記録やタイトル獲得を達成してきた。メジャーでは17年から2年連続40本塁打をマーク。典型的な引っ張り専門で、19年には通算100単打よりも先に通算100本塁打に到達。19年オールスター戦では1打席のみ出場し、本塁打を放った。今年は2度目の球宴選出。今季年俸は620万ドル(約6億8200万円)。

<3>マット・オルソン(アスレチックス) 一塁手。2012年ドラフト1巡目全体47位指名で入団し、6年目の今季に球宴初選出。マイナー時代は本塁打王争いをしたこともあり、メジャーでは短縮シーズンだった昨季を除き2年目の17年以降は毎年24本塁打以上、19年には自己最多の36本塁打をマーク。19年の日本開幕戦で来日したが、この時は手を痛めており2試合で1安打だった。今季は自己ベストの本塁打量産ペースで、前半最終戦に2本塁打を放った。今季年俸は500万ドル(約5億5000万円)。

<4>サルバドール・ペレス(31=ロイヤルズ) 出場選手で唯一の30代。ゴールドグラブ賞5度、シルバースラッガー賞3度のメジャーを代表する堅守強打の捕手。13年に球宴初選出、14年からは5年連続でア・リーグのスタメン捕手に選ばれた。15年には球団の2年連続ワールドシリーズ進出に貢献。メッツとの同シリーズでは5試合で打率3割6分8厘を記録してMVPに選ばれ、ロ軍30年ぶり世界一の立役者となった。17、18年に自己最多27本塁打を記録。19年はトミー・ジョン手術の影響で全休したが、昨季はチームトップの11本塁打でカムバック賞。今季年俸は1420万ドル(約15億6000万円)。

<5>ピート・アロンソ(26=メッツ) 一塁手。並外れたパワーと温和な表情から「ポーラーベア(シロクマ)」の愛称で親しまれる長距離砲。デビューした19年にリーグ最多53本塁打を放ちメジャー新人記録を更新。同年のホームランダービーに第2シードで出場し、1回戦でサンタナ(インディアンス)、準決勝でアクーニャ(ブレーブス)、決勝でゲレロ(ブルージェイズ)を下し優勝。3ラウンドで計57本塁打を放ち、最長は467フィート(約142メートル)だった。今季年俸は約67万7000ドル(約7450万円)。

<6>トレイ・マンシーニ(オリオールズ) 一塁手。がんを克服した不屈の強打者。16年9月にデビューし、17年に24本塁打を放って新人王投票3位。18年にも24本塁打、19年には自己最多35本塁打を記録。だが20年のキャンプ中にステージ3の結腸がんを患っていることを公表し、腫瘍摘出手術を受けた。シーズンを全休して治療に専念し、今年のキャンプから復帰。本拠地復帰戦となった4月8日レッドソックス戦ではスタンディングオベーションを受けた。今季年俸は475万ドル(約5億2300万円)。

<7>トレバー・ストーリー(ロッキーズ) 遊撃手。本拠地クアーズフィールドでホームランを量産する強打の遊撃手。デビュー戦(16年4月4日・ダイヤモンドバックス戦)で2本塁打を放ち、ナ・リーグ史上初めてメジャー初出場でマルチ本塁打を記録。2、3試合目でも本塁打を放って史上初のデビューから3戦連発を達成、さらに4戦目で2本塁打を放って開幕4試合で6本塁打のメジャー記録を樹立した。18年に自己最多37本塁打。18、19年に球宴選出とシルバースラッガー賞、20年に盗塁王。今季年俸は1850万ドル(約20億4000万円)。

<8>フアン・ソト(ナショナルズ) 外野手。ドミニカ共和国出身の若き大砲。18年5月20日に19歳でデビューし、翌21日に3ランを放って12年ブライス・ハーパー(現フィリーズ)以来となる10代での本塁打を記録。同年に22本塁打を放ち、新人王投票でブレーブスのアクーニャに次ぐ2位。11月には日米野球で来日し2試合連続本塁打を放った。19年は自己最多34本塁打を記録。昨季は47試合で13本塁打、打率3割5分1厘でナ・リーグ史上最年少で首位打者に輝いた。今季年俸850万ドル(約9億3500万円)。

◆クアーズフィールド ロッキーズの本拠地。海抜約1600メートル(1マイル)の都市デンバーに位置し、30球団で最も標高が高い。そのため打球の飛距離は他球場より約20フィート(約6メートル)伸び「打者天国」として知られる。右翼席にある「ルーフトップ」という立ち見エリアは、かつてはロ軍のチームカラーである紫色の座席が1列に並んでいた場所で、ちょうど標高1マイルの高さを示す。96年に野茂がこの球場で唯一となるノーヒットノーランを達成。16年にはイチローがメジャー通算3000安打を三塁打で達成している。95年開場。やや左右非対称で、中堅約126・5メートル、左翼約105・8メートル、右翼約106・7メートル。

◆テレビ放送 「MLBホームランダービー」Jスポーツ3=13日午前8時45分、NHK総合=同午前9時5分から(ともに生中継)。