米大リーグ、ヤンキース-ホワイトソックスが映画「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台、アイオワ州ダイアーズビルで開催された。映画と同じくトウモロコシ畑に設営された特別球場で行われた。
「フィールド・オブ・ドリームス」はケビン・コスナーらが出演し、米アカデミー賞で作品賞など3部門にノミネートされた1989年公開の作品で、「それを作れば彼が来る」との不思議な声を聞いた農夫がとうもろこし畑に野球場を建設するという物語。MLBは映画のロケ地に隣接した場所に臨時の球場を建設、アイオワ州で初のメジャー公式戦となった。両翼102メートル、中堅122メートルでメジャーでは標準的な広さ。
スコア
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤ | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 8 |
ホ | 1 | 0 | 4 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 9 |
映画と同じく、両チームの選手がトウモロコシ畑を抜けて幻想的な雰囲気の中、現れた。
試合前、ケビン・コスナーが登場が映画の役名、レイ・キンセラとして登場、スピーチした。映画のセリフにちなみ「ここは天国ですか? 野球の天国なんですよ」と語りかけた。右翼の後方に映画で使われた野球場とレイ・キンセラの家が現在もある。
試合はホワイトソックス先発がリン、ヤンキース先発がヒーニー。1回、アブレイユの23号ソロでホワイトソックスが先制。ヤンキースは3回、ジャッジの24号3ランで逆転。ホワイトソックスは3回、ヒメネスが逆転6号3ラン。4回にはザバーラの4号2ランで7-3とした。ヤンキースは9回、ジャッジ、スタントンの本塁打で8-7と逆転した。だがホワイトソックスは9回裏、アンダーソンがライトのトウモロコシ畑へ13号逆転サヨナラ2ランを放った。まさに映画のような劇的な試合となった。
写真特集
◆「フィールド・オブ・ドリームス」 映画は米国で1989年に公開、ケビン・コスナー主演。不思議な声を聞いた主人公がトウモロコシ畑を切り開いて球場を造ると、19年のワールドシリーズで、ホワイトソックスで八百長に関与したとして永久追放されたジョー・ジャクソンら伝説の選手がよみがえる。夢や家族愛をテーマに日本でも人気を博した。
◆ブラックソックス事件 1919年ワールドシリーズでホワイトソックスの主力8人が自軍の敗退に加担したとされる八百長事件。当時「最も強く、最も給料が安い」といわれたホ軍オーナーの締め付けが厳しく、金に困った選手が腹いせにやったといわれる。永久追放された1人、主砲「シューレス」ジョー・ジャクソンは01年にイチローに破られるまで新人の年間最多安打(233)を保持。「やってないと言ってよ、ジョー」とファンの子供が叫んだ逸話は有名で「フィールド・オブ・ドリームス」など映画にも描かれている。