エンゼルス大谷翔平投手(27)が26日(日本時間27日)、米大リーグ機構(MLB)のマンフレッド・コミッショナーから特別表彰を受けた。メジャー4年目、二刀流で完走した歴史的なシーズンをたたえられ、「Commissioner's Historic Achievement Award(コミッショナー・ヒストリック・アチーブメント・アワード)」を受賞した。

アストロズ-ブレーブスのワールドシリーズ初戦の試合前、大谷は黒色のスーツを身にまとい、ネクタイを締めて会見に臨んだ。「本日はお集まりいただきありがとうございます。このような特別な賞をいただけて、すごく光栄に思ってますし、今シーズン野球をして、応援してくださったファンの皆さん、そしてMLB機構の皆さん、エンゼルスの関係者の皆さん、全ての人に感謝しています。ありがとうございます」とコメント。記念のトロフィーを受け取り、写真撮影も行った。

同コミッショナーは受賞の経緯について、「メジャーリーグの最高峰のレベルで、投手と打者でプレーする選手を見られたことは、本当に素晴らしいことだった。慣例のように(投手、野手)どちらかの選択をしないことは勇気がいるし、162試合のシーズンを両方でやり遂げることは、計り知れない忍耐力がいる。2021年に、そういう人間がやってきた。それがショウヘイ・オオタニだった」と語った。7月のオールスター戦で史上初となる投打での出場にも触れ、「本当に信じられない功績だった」と賛辞を送った。

同賞は98年に前コミッショナーのバド・セリグ氏によって作られ、過去にはシーズン年間本塁打記録をつくったマーク・マグワイアやサミー・ソーサ、2632試合連続出場の偉業をたたえられたカル・リプケン・ジュニアが受賞しており、今回の大谷で16度目の表彰となった。日本人では04年に262安打でシーズン最多安打記録を塗り替えたイチロー以来(受賞は05年)、2人目の快挙。大谷は「毎年ある賞でもないですし、本当に光栄なことだと思うので、自分でいいのかなという思いもありますけど、本当にうれしく思ってます」と喜びを口にした。謙虚な姿勢を示すと、隣のマンフレッド・コミッショナーから「彼は(この賞に)値する」と笑顔で声をかけられた。

今季は投手で9勝2敗、防御率3・18の結果を残し、打者では打率2割5分7厘、46本塁打、100打点、26盗塁と驚異的なパフォーマンスを見せた。メジャーで初めて、投打の二刀流で完走。プレーオフ進出は逃したが、MLBの特別表彰に値する活躍と認められた。