MLBと選手会の労使協定が1日(日本時間同2日)に失効し、MLBはロックアウト(オーナー側による施設封鎖)に踏み切った。ほかにもトレード、FA選手獲得などの契約締結を含むすべての機能が行えず、来季開幕が遅れる可能性もある。

MLBはこれまで8度のロックアウト、もしくはストライキによる活動停止に追い込まれた。レギュラーシーズンの試合が中止となったのは過去3度で、中でも94年に敢行されたストライキはポストシーズンを含め8月以降の全試合が中止となった。労使闘争によりプレーオフが中止となったのは米4大スポーツ史上初。翌年もシーズンが144試合に短縮されるなど大きな影響を及ぼした。

過去のストライキとロックアウトは以下の通り。

◆1972年8月1~13日のストライキ(86試合中止)

MLB史上初のストライキ。選手年金が主な争点となった。オーナー側が譲歩し終了。

◆1973年2月14~25日のロックアウト

新協定で年俸調停の導入を求めた選手側とそれを拒んだオーナー側が対立しロックアウト。最終的に年俸調停が採用され、76年までの新協定で合意。

◆1976年3月1~17日のロックアウト

新協定がまとまらずオーナー側がロックアウト。開幕戦が1週間延期されたが、予定されていた試合は全て実施。

◆1980年4月1~8日のストライキ

新協定が合意に至らず選手側がオープン戦の最後の8日間を中止に。公式戦は通常開催された。5月23日に合意するも、FA関連の取り決めは翌年に持ち越し。

◆1981年6月12日~8月9日のストライキ(712試合中止)

FA制度を巡って衝突し、選手側がシーズン中のストライキを決行。7月31日に合意し球宴後の8月9日にシーズン再開。

◆1985年8月6、7日のストライキ

年金や年俸調停を巡って選手側が反発し敢行。中断期間に予定されていた全25試合はシーズン終盤に実施。

◆1990年2月15日~3月20日のロックアウト

FA制度や年俸調停が争点となって労使協定が合意に至らず、オーナー側がロックアウト。オープン戦が行われずシーズン開幕も1週間延期されたが、公式戦全日程が消化された。

◆1994年8月12日~1995年4月2日のストライキ(938試合とプレーオフ中止)

サラリーキャップ導入を申し入れたオーナー側に選手会が反発し決行。94年シーズンは8月12日からプレーオフを含め完全に中止となった。252日間のストライキの末、サラリーキャップ導入は見送られ95年4月2日に両者が合意。95年シーズンは4月25日開幕となり、144試合に短縮された。