今年の米野球殿堂入りの投票結果が25日(日本時間26日)に発表され、メジャー最多7度のサイ・ヤング賞に輝いた通算354勝右腕ロジャー・クレメンス氏(59)も「落選」し、殿堂資格を喪失した。

規定の得票率75%に届かず、メジャー歴代最多762本塁打を誇る元ジャイアンツ外野手のバリー・ボンズ氏(57)とともに、殿堂の門を閉ざされた。今年が資格取得10年目のため、最後のチャンスだった。

同氏は84年にレッドソックスでデビュー。愛称「ロケット」の剛腕で鳴らし、86年には24歳の若さでリーグ最多24勝、防御率2・48で初のサイ・ヤング賞を獲得した。ブルージェイズ時代の97、98年には投手3冠に輝いた。99年にヤンキースに移籍し、2度のワールドシリーズ制覇に貢献。その後アストロズを経て、07年にヤンキースで引退した。

メジャー24年間で通算354勝(184敗)は歴代9位。通算防御率は3・12、4672奪三振は歴代3位。最多勝4度、最優秀防御率7度、最高勝率3度、奪三振王5度に輝いた。オールスター選出は11度、日米野球では92年と04年の2度来日した。

引退後は、ボンズ氏と同様にステロイド(筋肉増強剤)の使用疑惑が浮上。大リーグを揺るがせた薬物スキャンダルにより、偉大なキャリアにも大きな傷がつき、昨年の殿堂入り投票では得票率61・6%にとどまった。