歴代最多の通算762本塁打をマークするなどホームランバッターとして一時代を築いたバリー・ボンズ氏(57)が、25日に発表された全米野球記者協会(BBWAA)による今年の投票で落選した。同氏は今回が有資格10年目のラストチャンスだったが、これを受けて、古巣ジャイアンツは公式ツイッターで「次の投票フェーズでも候補に入ると望みを持ち続ける」との声明を出した。

1986年にパイレーツでデビューしたボンズ氏は1年目から強打と俊足の外野手として活躍し、同年に13本塁打と36盗塁をマーク。90年に初のMVPに選ばれ、ジャイアンツ移籍1年目の93年には46本塁打を放って初の本塁打王に輝いた。01年にはシーズン73本塁打のメジャー記録を樹立。04年には史上初の500本塁打以上で通算500盗塁を達成した。07年に引退し、22年間で通算762本塁打、オールスター選出14度。MVP選出7度は歴代最多だった。

一方、引退後はステロイド(筋肉増強剤)などの薬物使用問題が取り沙汰され、殿堂入り資格1年目の投票ではわずか得票率36・2%。昨年は同61・8%まで伸び、今年は66%だったものの、殿堂入りの条件である75%には届かず、資格喪失となった。

ジャイアンツは、「彼の素晴らしい才能、そして1993年にわれわれと契約した直後から活躍を見せたことは、サンフランシスコでの野球熱を再生させただけでなく、2000年にオラクルパークを設立するための手助けともなった。彼が次の米野球殿堂入り投票フェーズで再び候補の資格を手にできるとの望みを持ち続ける」と表明した。

米野球殿堂では、BBWAAの投票で選ばれる殿堂入りとは別に、過去に漏れた選手や指導者、審判員、経営者らを対象として時代別に候補者を分け、功績を精査し選考委員会の投票で殿堂入りメンバーを選ぶ制度があり、ボンズ氏が栄誉を手にする可能性は残されている。