大谷は、メジャー5年目でマーリンズと初対戦に臨んだ。10日(日本時間11日)の初戦、MLBの試合を中継する「バリー・スポーツ・フロリダ」の女性リポーター、ケリー・サコさんはマ軍のドン・マッティングリー監督(60)に対し、試合前のメディア囲みで質問を投げかけた。当然、最初はマーリンズの選手関連の質問が続く。約2分後、突然、流れを変えた。

「オオタニ。何が一番、印象的だと思うか」

特別、珍しい内容の質問ではない。だが、ビジター球団の監督に対して大谷の話題は、メディア対応の終盤でエンゼルスの番記者か、日本人メディアが投げかけるケースが多い。ましてマーリンズの本拠地は東海岸の南に位置するフロリダ州マイアミ。一方のエンゼルスは西海岸の南を拠点とする。アメリカ大陸の両端に位置し、時差も3時間ある。はるか遠い中継局のリポーターが、自ら率先して大谷の質問を投げかけたことが珍しい光景だった。

サコさんに理由を聞くと、こう言った。「大谷は今やベースボールの顔。みんなが、彼のプレーを楽しみにしているから」。ただ、以前は違った。「数年前だったら話題に出すのは難しかった。(マーリンズは)ナ・リーグの球団だしね。でも今は、間違いなく東海岸の人も、彼のことを認知している」。大谷は昨年、二刀流で歴史的な活躍を見せ、初めてオールスターにも出場した。オフには満票でMVPを獲得。盛り上がりは全米に広がっている。そう実感する女性リポーターの問いかけだった。【斎藤庸裕】

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