元メジャーリーガーが、親の立場を経験して、幼少期の野球環境を振り返った。

元レッドソックスの松坂大輔氏（41）が23日、「AIG」×「MLB CUP 2022」の発表会に出席。幼少期を思い返しながら、野球をする子供を持った親としての現状を語った。

松坂氏は、野球を始めたきっかけを思い出した。「小さい時は野球は本当に身近なもので、毎日のように家族で野球中継を見ていた。父も仕事仲間と草野球をしていたので、姿を見て、自然とキャッチボールを始めたのがきっかけ」。

元日本テレビアナウンサー柴田倫世さんとの間に生まれた息子が、野球をやっているという。「子供を持って、改めて、相当両親には負担をかけていたんだなと思う。今は野球の試合のグラウンドや練習場に遠くても息子を連れて行ったりしているが、それが当たり前ではないんだなと分かって、両親に感謝している」。少年野球を始めてから、両親からたくさんの愛情を受けていたことに気が付いた。

昨年まで現役選手だった。野球を続けてきて、良かったことを問われた。「小さいころからやって友達が増えた。同じ学校でも話さない子とも野球をやるとコミュニケーションを取る。僕は人見知りだった。他の学校から来たチームメートも友達になれた。たくさんの人と出会えてよかった」と振り返った。7月末に石巻市で予定されている大会に向け「大会を通じて新しい友達をつくってほしい」と願った。

横浜高校時代には春夏連続で甲子園優勝するなど4冠を達成した。順風満帆にも見えるが、挫折を味わったこともあるという。「僕も何度かやめたいと思った時期はあった。親の励ましだったり、当時の監督さん、友達の親だったりに励ましてもらって続けることができた。もしやめていたとしても、それまで野球にかかわったこと、チームで学んだことは無駄にはならないと思う。小学校で経験したことは心にいまだに残っている」。団体行動やコミュニケーション能力、野球から多くを得たことに感謝していた。【斎藤直樹】