キューバメディア「JIT」は28日(日本時間29日)、キューバから亡命し、MLB球団と契約を求めていると報じられた中日ジャリエル・ロドリゲス投手(26)に対し「キューバ連盟が違約金1000万ドル(約13億5000万円)を要求する」と伝えた。

報道によると、ロドリゲスは中日で復帰しないことは、中日及び代理人を務めているキューバ連盟に対する重大な違反で、連盟は契約放棄の場合は損害賠償として1000万ドルを請求する、とした。

ロドリゲスはWBCで2試合に先発し計7回1/3を投げ、防御率2・45。ベスト4進出に貢献し、準決勝で敗れた後にキューバに帰国していた。28日に、全米野球記者協会に所属するフランシス・ロメロ氏がツイッターで「彼は今朝、ドミニカ共和国に到着した。中日との契約を破棄しており、将来的にはMLB球団との契約を望んでいる」と伝えた。

中日では昨季、開幕直後にリリーフ起用に転向。最速161キロの直球に、変化球を交える投球スタイルで、セットアッパーに定着した。56試合に登板し、54回2/3を投げ、6勝2敗39ホールド、60奪三振、防御率1・15で、初タイトルとなる最優秀中継ぎに輝いた。清水と守護神マルティネスと、球界屈指の勝利の方程式を構築していただけに、亡命となれば、最下位からの反攻をにらむ中日にとっては、大きな戦力ダウンになる。

ロドリゲスは、昨オフにキューバ政府を通じて、年俸2億円(推定)の複数年契約を締結。2月にキューバ代表として沖縄入りした際に、本人とも契約し、3月7日にNPBで支配下登録も公示されている。仮に亡命となれば、中日が制限選手としてNPBに公示し、メジャーやNPB他球団への移籍を制限させる可能性もある。20年1月にソフトバンクと契約していたキューバ人のオスカー・コラス外野手が亡命した際にソフトバンクは制限選手を公示(その後自由契約)している。