【スコッツデール(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】オリックスからポスティング制度でメジャー移籍を目指す山本由伸投手(25)に対し、16年以来の世界一を目指すカブスが、ヤンキースに続き、本格参戦することが明らかになった。
今季中にはジェド・ホイヤー編成本部長(49)らが来日して直接視察。「勝負の1年」と位置付ける来季へ向け、今オフの先発投手市場で人気ナンバー1の右腕へ、全力でアタックすることが確実となった。
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「特定のことについては言えない」としながらも、ホイヤー編成本部長は、日本球界トップの選手の高い能力を絶賛した。
GM会議の会場で取材に応じ、具体名こそ明かさなかったものの、3年連続投手4冠の山本を意味していることは間違いなかった。「確かに、9月に日本へ行って、こちらにやって来る選手たちを見てきた。彼らにはいい印象を持った。我々は必要としないのであれば行くことはしない」。9月中旬、山本獲得を狙って視察したヤンキースのキャッシュマンGMと入れ替わるかのように極秘来日。ネット裏から山本の投球と健康の状態をチェックした。
コロナ禍以来、チーム再建に着手し、勝負の1年に定めたのが、来季24年だった。その間、ダルビッシュを始め、リゾ、ブライアントら主力を続々と放出し、世代交代を推進した。21年からは2年連続で負け越したものの、今季は最大借金「10」から一時は最大貯金「10」まで復調。プレーオフにこそあと1歩届かなかったが、最後まで上位争いに食い込んだ。公式戦終了後には、オーナーのトーマス・リケッツ氏(57)が、ファン宛にメールを発信。「我々は大きく前へ踏み出した。ロースターを充実させるため、このオフは動き続けていく。カブスの将来は明るいと自信を持って言える」と戦力強化へ盤石の支援体制を約束。カ軍関係者によると、その最大の標的として白羽の矢を立てたのが山本だった。
主軸のストローマンがFAとなり、先発投手陣の補強は緊急課題。山本に対しては、WBCの練習時から密着マークを続けるなど、30球団随一の真剣度で動向を探ってきた。資金力が潤沢なヤンキース、レッドソックス、メッツらとの争奪戦は、高額契約を必要とするガチンコ勝負。21年、鈴木との交渉の際には、最終段階でリケッツ氏がサプライズで出馬して口説き落とした。「我々は誠也とも、過去にも日本人選手とすばらしい経験がある」。最後まで個人名は伏せたままでも、ホイヤー本部長の言葉は、紛れもない、山本への「ラブコール」だった。
<山本由伸争奪戦。本紙メジャー担当予想>
◎ヤンキース(ア東4位) チーム防御率3・97(10位)
エース コール(33) 15勝4敗 防御率2・63
○カブス(ナ中2位)
チーム防御率4・08(14位)
エース スティール(28) 16勝5敗 防御率3・06
▲レッドソックス(ア東5位)
チーム防御率4・52(21位)
エース ベロ(24) 12勝11敗 防御率4・24
▲メッツ(ナ東4位)
チーム防御率4・30(19位)
エース 千賀滉大(30) 12勝7敗 防御率2・98
△ドジャース(ナ西1位)
チーム防御率4・06(13位)
エース カーショー(35=FA) 13勝5敗 防御率2・46
△ジャイアンツ(ナ西4位)
チーム防御率4・02(11位)
エース ウェブ(26) 11勝13敗 防御率3・25
△マリナーズ(ア西3位)
チーム防御率3・74(3位)
エース カスティーヨ(30) 14勝9敗 防御率3・34
△パドレス(ナ西3位)
チーム防御率3・73(2位)
エース スネル(30) 14勝9敗 防御率2・25
◆山本争奪戦の行方 本命◎ヤンキースとはいえ、対抗○カブスとの一騎打ちというわけでもなく、旧同僚の吉田が所属するレッドソックス、親交のある千賀が所属するメッツが、ともに▲の上位候補として挙げられる。ドジャース、ジャイアンツ、マリナーズなどは、大谷獲得を優先する可能性が高く、大谷を逃した場合、山本取りに緊急参戦するものと見られる。資金難がささやかれるパドレスは、大砲ソトのトレードが進展すれば参戦する可能性は十分。いずれにせよ、ヤ軍、カ軍を中心に争奪戦は進みそうだ。



