【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)9日(日本時間10日)=斎藤庸裕】エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)が、ドジャース移籍を決断した。所属先の代理人事務所CAAの発表で契約額は10年7億ドル(約1015億円)。世界のスポーツ界全体で史上最大の契約額となった。去就が注目される中で、大谷本人が最初に自身のインスタグラムで決意を表明。メジャーリーグの歴史を彩る、学生時代から憧れた伝統球団で、目標の世界一を目指す。

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大谷の新たな旅が始まる。ついに、ドジャース移籍の決意を固めた。真っ先に、全世界へ向けて自身のインスタグラムで公表。「ファンの皆さま、球界関係者の皆さま、ここまで結論が長引いてしまったことをおわび申し上げます。次のチームに、ドジャースを選ぶことを決めました」。去就を巡り、さまざまな情報が飛び交う中で沈黙を続けていた。応援してくれる世界中のファンに、自らの言葉で最初に知らせたい-。その気持ちが伝わる、突然の決意表明だった。

130年以上の歴史がある伝統球団に仲間入りする。学生時代から、憧れのドジャーブルーで世界一を夢に描いていた。高校3年の秋、一度はメジャー挑戦を表明。最初に交渉の席についた球団が、ド軍だった。あれから11年。ようやく、互いの思いがかみあった。「ドジャースファンの皆さまへ、私はチームのためにベストを尽くし、常に自分自身の最高の状態を保ち、それを続けていくことを約束します。プレーする最後の日まで、ドジャースだけでなく野球界のために、努力し続けたいと思います」。勇ましく、誓いを立てた。

もっとも、1年目から支えてくれたエンゼルスファンとチームに対する恩恵も忘れない。メジャーでリアル二刀流の礎を築き、成功への道をともに歩んだ。冒頭のメッセージに続き、その感謝を伝えたかった。

「まず始めに、6年間、支えて頂いたファンの皆さま、エンゼルスの関係者の方々、そして、今回の交渉で関わって頂いたチームの全ての方に、本当に感謝したいと思います。特に、浮き沈みがあった中でエンゼルスファンがサポートし、応援してくれたことは、かけがえのないものです。エンゼルスで過ごした6年間はこの先もずっと、胸に刻まれることでしょう」

ともに笑い、悔しさを味わい、喜怒哀楽を共有した。同僚や対戦相手から愛され、友好関係を築いた仲間との野球に、楽しさも感じた。だが、勝ちがついてこなかった。シンプルに、勝利への飢えがあった。来季は打者で開幕スタメンを目指し、25年から二刀流で再起をかける。原動力となるのはファンの存在だ。これまでも大声援を背に、はい上がってきた。メッセージの最後に、感謝の言葉をそえた。「本当にありがとう」。新たなステージへと身を移し、ともに夢を追う。

◆ロサンゼルス・ドジャース 1883年にニューヨークで「ブルックリン・クラブ」として創設。1890年ナ・リーグに加盟。愛称は市民が路面電車を避けて歩いたことから「よける人」の意味。1958年ロサンゼルス移転。黒人初大リーガーのジャッキー・ロビンソンも在籍した。リーグ優勝24度はナ・リーグ最多。ワールドシリーズ優勝7度。本拠地ドジャースタジアム。デーブ・ロバーツ監督。