楽天から海外FAとなっていた松井裕樹投手(28)が23日(日本時間24日)、パドレスと5年総額2800万ドル(約39億2000万円)で正式契約を結んだ。球団が正式に発表した。パ軍のほか、カージナルスや複数の日本球団が興味を示す中、松井自身が決断。今年3月のWBCで一緒に戦ったダルビッシュ有投手(37)の同僚として、大谷翔平投手(29)、山本由伸投手(25)が移籍した同地区ドジャースと真っ向勝負することになった。
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日米両国からラブコールを送られてきた松井が最終的に選んだのは、気候が温暖で、マチャド、タティスら才能豊かな選手が居並ぶパドレスだった。パ軍は昨オフ、巨大補強を行いながらも、中盤にかけて失速。最終的に82勝80敗と勝ち越したものの、プレーオフ進出を逃し、ファンの期待を裏切る形となった。シーズン終了後には、メルビン前監督が同地区の宿敵ジャイアンツへ「転職」。チーム再建へかじを切ったばかりだった。
今オフ、NPBの10年間で通算236セーブの実績を残した松井に対しては、米国スカウトの間で評価が分かれていた。プロ入り後、常に高いレベルで安定した成績を残したタフさが魅力の一方、今年3月のWBCでは滑るメジャー球への対応に苦慮したこともあり、制球難を不安視する声も聞かれた。それでも、侍ジャパンでは、ダルビッシュの助言も受けながら対応。決勝ラウンドでの登板機会こそなかったものの、手応えを感じたことで米挑戦を決断したともいわれる。
投手陣強化を目指すパ軍の思惑とも一致した。AJ・プレラーGMは、レンジャーズGM補佐時代、ダルビッシュ獲得に動いた主要人物で、メジャーでも屈指の「日本通」として知られる。20年オフには、ダルビッシュをカブスからトレードで獲得したほか、元阪神スアレス、元ソフトバンクのマルティネス(現レッズ)ら日本球界経験者を相次いで補強するなど、実績も豊富。同GMは松井について「3種類の決め球を持つトップクラスのクローザーで三振を奪う能力が高い。速球、スプリット、スライダーで確実にアウトを取れる」と評価し、クローザーとして起用する可能性にも言及した。
松井にすれば、師匠ダルビッシュの存在は心強い限り。同地区の宿敵ド軍へ移籍した「大谷キラー」としても期待されるだけに、来年3月、韓国ソウルでの開幕シリーズでスタートする両軍の対決は、今後も常に注目を集めそうだ。
◆松井対大谷 日本時代は16、17年に1打席ずつ対戦し、計2打数1安打1打点、1三振。16年は8月12日に3-3の同点の9回表2死二塁のピンチで対戦し、空振り三振。17年は9月5日に9回裏2死二塁で右前にタイムリーを許し、チームの完封リレーを阻止された。
○…パドレスはドジャースと韓国・ソウルで来年3月20、21日に開幕戦(いずれも日本時間午後7時開始)を行うことが決まっている。パ軍のダルビッシュと松井、ド軍の大谷と山本の日本選手4人が勢ぞろい。ダルビッシュ、松井が山本との投げ合い、または打者大谷との対決が開幕で実現する可能性もある。ただし開催地の高尺スカイドームは約1万7000人と客席数が少なく、入場券は大変な争奪戦になることが確実。入場券はまだ販売が開始されておらず、販売方法などの情報も出ていない。



