【グレンデール(米アリゾナ州)11日(日本時間12日)=斎藤庸裕】ドジャース山本由伸投手(25)が、大谷翔平投手(29)の目の前で34球のブルペン投球を行った。

キャンプ3日目で2度目の投球練習に臨むと、まるで投手コーチかのように大谷が背後から密着チェック。山本は全球種を投じ、セットポジションからの投球も行った。キャンプイン後、初めてメディア対応を行い、大谷とともに目指すワールドシリーズ制覇へ、意気込みを語った。

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快晴で心地よい気候の中、豪華なピッチング練習が始まった。山本が今キャンプ2度目のブルペン入り。すると、短パンとパーカ姿の大谷が背後に陣取った。セットポジションも含め、全球種を交えて34球。まるで投手コーチかのように腕を組み、うなずく“大谷先生”。その目前で腕を振り続けた山本は「しっかり自分のピッチングが出来たと思います」と冷静に振り返り、緊張については「大丈夫でした」と笑った。

ブルペン投球を終えると、大谷先生も含めてロバーツ監督、ゴームズGMら首脳陣と“青空会談”で談笑。「ハハハハハ」と大笑いする大谷から肩を組まれ、クラブハウスへ向かう道すがら、2人並んで会話を交わす姿もあった。「球種のことだったり、そんな感じです。ピッチングのことを話しました」と詳細は明かさないが、1年目の山本にとって7年目の大谷の言葉は心強いはず。「少しずつ落ち着きながら、集中して練習できている」と、順調な調整ぶりを口にした。

大谷にとっても、山本の存在は頼もしい。ワールドシリーズ制覇を目指すには、必要不可欠な先発陣の1人だ。今季は打者専念で投げられないだけに、同僚や首脳陣とのパイプ役となれば、力強い後押しになる。山本は「多少やっぱり違いは感じる」と、この日もスプリットが抜け気味だった。メジャー使用球への適応に課題を残すが「いろんな投手やコーチとか、アドバイスを聞きながらしっかりアジャストしていけたら」と前を向いた。

昨年3月のWBCでは、準決勝前に山本からのおねだりで大谷と高級日本食店での会食が実現した。尊敬し、背中を追い続ける先輩だが、まねできないこともあった。大谷の愛犬デコピンはアリゾナ州の滞在先に帯同。山本の愛犬みかんは「来てないです(笑い)。まず自分が慣れてから、考えます」と苦笑いした。

それはさておき、チームとしての目標は同じ。「まだ、(個人の)数字の部分はまったく分からないですけど、とにかく精いっぱい投げて、ワールドチャンピオンになることに貢献できたらうれしい」。夢を描く頂点へ、ともに戦う。

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