【メサ(米アリゾナ州)14日(日本時間15日)=四竈衛】カブス今永昇太投手(30)が、オープン戦3試合目で快投を演じた。アスレチックス戦に先発し、5回途中3安打無失点無四球9奪三振。全三振を空振りで奪う、圧倒的な投球で順調な仕上がりを披露した。

昨季のセ・リーグ奪三振王が、底力を披露した。初回、渡米後最速となる95マイル(約153キロ)をマーク。2者連続三振を含む3者凡退と快調に滑り出した。続く2回も3者凡退。3回1死から初安打を浴びたものの、後続をピシャリ。4回は3アウトすべてを三振で仕留めた。「自分のいい速球をコンスタントに投げられました」。主なチェックポイントは、体重移動、グラブの使い方、踏み出す右足の着地点。「うまくはまりだしてきたなという感じです」。毎回の9三振をすべて空振りで奪う、圧倒的な70球だった。

オープン戦とはいえ、過去3試合で、通算9回2/3を投げて計19奪三振。奪三振率(1試合換算)は、脅威の17・7となった。米国で主流となった高めの速球の精度が徐々に安定。9三振中4つが3球三振と、カウントを追い込んでも遊び球を使うことなく、ストライクゾーン内で早々と決着をつけた。「日本で投げていた真っすぐとはまったく別物として考えていきたい。そのマインドチェンジにもなりました」。右打者の内角へのクロスファイアで差し込み、高めで空振りを誘う新スタイルに、スライダーとチェンジアップを加味。地元ファンがどよめくほど、次から次へと相手打者のバットが空を切った。

現時点では、先発ローテ3番手の最有力候補。「欲を言えば、もう少し(球数を)減らしたい。成功体験を積み重ねるということはものすごく選手としては大事。その点ではよかったかなと思います」。オープン戦の段階では、失敗も成功も勉強の一環。今永の「野球哲学」は、メジャー移籍後も変わっていない。

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