メジャーデビュー戦となったドジャース山本由伸投手(25)は1回5失点と壮絶なKO降板で黒星を喫した。パドレスが激しい打撃戦を15-11で制し、初の韓国開催となった開幕シリーズを1勝1敗のタイで終えた。

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大乱調で山本のメジャー生活が始まった。初球は真ん中低めの155キロ直球。いきなり1番ボガーツに左前へ運ばれた。ノーワインドアップで投げたのは、全43球で1球だけ。走者を背負っての投球が続き「セットに入ってからのピッチングが乱れた。修正ポイントは分かっている。投手コーチにアドバイスを頂きながら次の試合に向かいたい」と振り返った。

メジャーにあって、日本にないルールが、ピッチクロックだ。走者がいる場合、18秒以内に投球モーションに入らないとボールとなる。昨年から2秒減。「もちろん意識してのピッチングにはなりますが、そこに問題があるわけではないです」と話したが、二塁や三塁に目線を送る間合いが取れない。3度までと制限のあるけん制も1度だけ。9秒を余してモーションに入る場面もあった。

死球、三塁打、四球と続き、5人目金河成の中犠飛で初のアウトを取った。「立ち上がりからコントロールがうまくできず、ピンチを広げてしまった」。三振を挟んで長短打を浴び、4安打2四死球2三振で5失点。最速は155キロも、日本時代の先発118度で1度もなかった1回KOを食らった。

投手史上最高(投打二刀流の大谷を除く)の12年総額3億2500万ドル(約488億円)の契約で入団しただけに、球団からの期待値は高い。オープン戦は防御率8・38。それでも開幕第2戦を任されての炎上に「試合に負けてしまった悔しさはすごく大きいし、その責任も感じてます」と唇をかんだ。

3年連続沢村賞を引っ提げ、無双状態となってポスティングシステムで移籍した。大谷と同時に11年連続ポストシーズン進出の強豪に加わったが「大谷さんが仮に他のチームを選んだとしても、ドジャースを選んでいたかな」と勝利への貪欲さは人一倍だ。やり投げ、ハンドボールでの壁当てなど、独特の調整法を貫く。「まだシーズンは長いですし、チームに貢献できるようにしたい」。12年契約は始まったばかり。年間を通じて真価を証明する。【斎藤直樹】

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