日本人投手で最長となるメジャー実働13年目が始まった。

右肘の炎症で開幕から負傷者リスト入りしていたパドレスのダルビッシュ有投手(38)が7日(日本時間8日)、本拠地サンディエゴでのダイヤモンドバックス戦に今季初登板、初先発。4回途中まで63球を投げ、3安打2失点で黒星を喫した。だが、全部で8球種を駆使する技術に加え、最速95・9マイル(約154キロ)で5三振を奪うなど、球威に衰えはなし。ベテランがチーム90試合目に再スタートを切った。

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日米通算プロ21年目のダルビッシュは、完璧なスタートを切った。初回、先頭のキャロルをすべて変化球で追い込み、4球目の外角低めカーブで空振り三振。落差は170センチもあった。2番ペルドモは内角低めの95・8マイル(約154キロ)直球で詰まらせて遊ゴロ。3番グリエルはスプリットで空振り三振。ボールはたった1球、わずか10球で3者凡退に仕留めた。

2、3回はやや制球が甘くなり、2本の二塁打を含む3安打を浴びて失点した。「気持ちが高ぶって、うまくコントロールできないところがあった」。4回は2死までこぎつけたが、初登板で球数が63球となり降板した。ベンチに戻る際に大声援を受け「自分としては、ただけがをしていなかっただけなのに」と感謝で声を詰まらせた。

右肘の炎症で開幕から負傷者リスト入り。「諦めたことも何回もあった。この数カ月は」。チーム90試合目まで初登板が延びた。「医学的にちょっと難しいんじゃないかというところではあった」と明かした。特に「肘のことで(負担が大きい)スライダーを諦めなければいけないということに直面したりもあった。ちゃんと投げられてよかった」。全63球中、スライダーとスイーパーで合計38%の24球。両球種とも1分あたりの回転数は2750超え。昨年より30以上も増えていた。

加齢による球速の低下にあらがい続ける。直球の平均球速は95・1マイル(約153キロ)で、最速は95・9マイル(約154キロ)だった。「96(マイル)とか見られると元気な証拠だと思う。勢いのある球を投げられてよかった」。昨季の直球の平均球速は94・1マイル(約151キロ)。レジェンド野茂英雄を超える、日本人最長となるメジャー実働13年目にして、球速アップさえ見せた。

今後は1試合で約15球ずつ、球数を増やしていくとみられる。「第1段階としてメジャーの試合で投げられたのはステップになったと思う。次も課題がある。1つずつクリアしていきたい」。次回以降、並んでいる黒田博樹を超え、日本人単独トップとなる日米通算204勝目を目指す。

パドレス・シルト監督 非常に希望を持てる登板だった。球の動きも良かったし球速も出ていた。ユウ自身も、試合中も試合後もいい感触を得ていたようだ。彼がマウンドに戻ってきたのを見られて良かった。

▼ダルビッシュが今季初登板し、大リーグでの実働年数(出場した年数)が13年。日本人選手ではイチローが通算19年出場しているが、投手では野茂の実働12年を抜いて最長となった。

▼ダルビッシュは38歳10カ月。日本人投手で38歳以上で先発したのは黒田(ヤンキース)に次ぎ2人目。黒田は38歳の13年、39歳の14年に各32試合に先発した。

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