【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)6日(日本時間7日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(31)が、日本人選手では史上3人目となるメジャー通算1000安打の節目を豪快に飾った。カージナルス戦に「1番DH兼投手」で出場。3回に先制点を許したが、直後の第2打席で自ら一時逆転となる2ランを放った。前回登板は右臀部(でんぶ)のけいれんで降板も、中6日で超回復。投手では4回2安打1失点8奪三振、打者では3打数1安打2打点と、真夏のフィールドで二刀流パワーがさく裂した。
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マウンドを降りた大谷は、小さくガッツポーズした。4回、3番からのクリーンアップを決め球のスライダーとスイーパーで3者連続三振。54球、毎回の奪三振ショーで4回8奪三振をマークした。「しっかりまず投げきれたのが一番いいこと。次回もまたイニングを伸ばしていけたら。そういう意味で、ピッチングの方で特に大きい前進があった」。何事もなくミッション・コンプリートしたことが何よりの好材料だった。
前回は右臀部(でんぶ)のけいれんにより、4回途中で降板。周囲の不安をよそに、中6日の間にフィールド上でのキャッチボールを数日間省くなどルーティンを微調整しながら、超回復を遂げた。さほど力感のない腕の振りながら、100マイル(約161キロ)超えは6球。迫力満点の大台連発だった。「真っすぐも良かったですけど、それ以上に変化球も特にスライダー、カーブ、全体的に試しながら行けたのが良かった」と、各球種の精度に手応えがあった。
相乗効果で、打者でも持ち味を発揮した。先制点を許した直後の3回、センター左へ豪快な2ラン。自ら取り返す“二刀流アーチ”で、メジャー通算1000安打の節目を飾った。両軍で最高球速の101・1マイル(約163キロ)を投げ、最速109・5マイル(約176キロ)の打球を放った。それでも「一番はどれだけ四球をしっかり選べるか。なかなかゾーン内に(ボールが)来ない時にしっかりと我慢できるのが、全体的な打席の中では大事」と、結果よりも質を重視していた。
チームは惜敗し、2位パドレスとのゲーム差は2に縮まった。今後、ますます二刀流への期待が高まる一方で、投球イニングと球数が増えれば、より身体的にも負担がかかり、リカバリーにも時間を要する。投打での調整が続く中「毎日同じことをやりながら感覚の違いを探る作業を1日1日、限られた時間の中で大事にしているところ」と、気を緩めることはない。順調なら、次戦は23年まで本拠地としていたエンゼルスタジアム凱旋(がいせん)の二刀流。まだ100%復活とはいかない。だが、着実に完全体に近づいている。
◆大谷の投球内訳 スタットキャストの分類では全54球で直球57%(31球)スイーパー19%(10球)スライダー19%(10球)ツーシーム(シンカー)4%(2球)スプリット2%(1球)の5球種。大谷は試合後に「変化球も特にスライダー、カーブを全体的に試しながらいけた」と語った。スタットキャストの分類ではスイーパーとなっていた球速80マイル(129キロ)を下回り、縦に落ちた3球はカーブとみられる。するとスイーパーは7球(13%)でカーブは3球(6%)となる。カーブは今季初投球。
▼ドジャース大谷が1000安打。日本人ではイチロー、松井秀喜に次いで3人目。988試合目での到達は3人で最も遅いが、31歳1カ月はイチローの31歳7カ月を抜いて最も若い。1000本刻みの安打記録を本塁打で達成したのは大谷が初めて。1000安打のうち本塁打は264本で、達成時では松井秀の144本を抜いて最も多い。 ▼大谷は投手として8奪三振、打者として39号2ラン。オプタスタッツによると、1試合で本塁打を放って8三振を奪い、失点(1)以上の打点(2)を挙げ、選んだ四球(1)が与えた四球(0)を超えた選手は1920年以降、大谷が初めて。 ▼大谷のチーム115試合目での39本塁打は、55年スナイダーの38本を超える球団新記録。MLBのラングス記者によると、1番打者としては今季35本目で、チーム115試合目では23年ベッツ(ドジャース)の31本を超える新記録。
○…大谷が投打にわたって活躍しながら1000安打を達成したことに、米メディアも絶賛した。MLB公式サイトは「大谷の通算1000安打は110マイルのマンモス本塁打(しかも投手!)」と見出しをつけ、打球速度110マイル(約177キロ)、中堅左の観客席中段まで届く大アーチを大型哺乳類で表現。一方でロサンゼルスタイムズ紙電子版は「大谷のルース級の偉業もブルペン崩壊を止められず」と、大谷を歴史的大打者に重ね合わせながらも、チーム状況を嘆いた。
○…ドジャースタジアムのドジャース-カージナルス6回戦で、大谷の名前と背番号が刻まれた、昨年のワールドシリーズ優勝を記念したレプリカ優勝リングが配布された。先着4万人が対象のため、午後1時10分開始のデーゲームに早朝から多くの観客が並んだ。



