ドジャース山本由伸投手(27)が、地区Vへラストスパートの先陣を切る。シーズン最後の関門となる10連戦は12日(日本時間13日)、敵地サンフランシスコでのジャイアンツ戦から始まる。初戦でサイ・ヤング賞3度、通算265勝の右腕ジャスティン・バーランダー投手(42)と投げ合う山本は、前回登板で9回2死までノーヒットに抑える圧倒的な投球を披露し、直近3戦で防御率1・66。イニング間に愛用ノートを確認する姿も話題となった。突然のルーティン変更、その訳とは-。

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もっといいピッチングをするために、山本が行動を変えた。オリックス時代や侍ジャパンでの登板時も大事にしてきた手書きの“由伸ノート”。最近2~3試合の登板では、イニング間にベンチで確認する姿が目立った。その裏には、小さな努力が隠されていた。

「最近、拠点をベンチにして。いつも裏の(打撃)ケージで見ていたんですけど、敵地とかだと同じポジションをとれない時があるので。ケージの場所が遠かったりして。だから、いつも一緒のところでできるように、こっち(ベンチ)がいいかなって。ここ2、3試合で試してます」

山本は投球を終えてベンチに戻ると、イニング間でダッグアウト裏へ引き揚げることが多い。だが球場によっては、隣接する打撃ケージまで戻るのに時間がかかることがある。場合によっては、味方の攻撃がすぐに終わってしまい、投球の準備で急ぐ必要も出てくる。一方で、ベンチなら愛用ノートをゆっくり確認できる。わずかな時間だが、少しでもルーティンを改善しようとする工夫があった。

また、近年ではタブレットを手にベンチでデータを確認する選手の姿がよく見られる。ノートを開く姿は時代の潮流と逆行するようだが、そうでもない。山本は「タブレットで映像を見たりはしますけどね。それを見ながら、自分の言葉でノートにまとめるみたいな感じです。どんどん書き込んでいけるし、分かりやすい」と、自己流を組み合わせている。

直近3戦の防御率1・66で、その一助にもなっている由伸ノート。「相手バッターのこととか、ここ2、3試合は結構、自分の意見も入れていて。記憶力が悪いので毎回、毎回、見るというのもあるんですけどね。そんな感じです」と明かした。メジャー2年目でエースと称され、ロバーツ監督を始めチームの信頼も厚い。その裏には、ピッチングだけではない、小さな努力の積み重ねがある。【斎藤庸裕】