95年、パイオニア野茂英雄がメジャーデビューして以来、今年で31年目。日本人メジャーリーガーの存在感は、各チームの中で着実に大きくなった。傑出した長打力で魅了するホワイトソックス村上宗隆内野手(26)をはじめ、不動の主軸として定着したブルージェイズ岡本和真内野手(30)、依然として不安定な側面を持ちつつも、継投でノーヒッターを達成したアストロズ今井達也投手(28)と、1年目でも日本人メジャーへの信頼度は高い。新天地でプレーする村上の前半戦を振り返る。【四竈衛】

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地元ファン総立ちの拍手で出迎えられた村上は、グラウンドに立った喜びをかみ締めていた。「すごくうれしい。リハビリは長かったですけど、これからケガなく、オールスターも含めて頑張っていきたい」。5月29日の試合で走塁の際に右太もも裏を痛め、戦列を離脱。その間、35試合のブランクがあっても、ホ軍の「顔」として定着した村上への期待感は、離脱前以上に膨らんでいた。

約1カ月以上、戦列を離れていたとはいえ、無事に復帰したことで、ホームラン競争と球宴への出場も決まった。開幕後、約2カ月間で20本塁打を放ち、5月の月間最優秀新人に選出されるなど、アッという間に「全国区」となった。「ケガして出られないと思っていたんですけど、出られるというのですごくうれしい」。ホームランダービーにしても「オファーを頂いたので断ることはできないのと、1回は出てみたいと思っていました」と、前向きな姿勢をのぞかせた。

移籍前の風評を覆す活躍で、ホ軍の空気を変えた。昨オフのFA市場で、村上の評価は分かれていた。傑出したパワーが知られた一方で、高めの速球への対応、守備力などを指摘する声も聞かれた。当初は5~7年の大型契約も見込まれたが、資金力が豊富な強豪球団が慎重な姿勢だったこともあり、ホ軍が2年契約で交渉をまとめた。

開幕戦から3連発とド派手なデビューを飾ったことで、村上への注目度は一気に加速した。4月中旬には5試合連続弾。それでも村上は常に「チームの勝利が第一」との言葉を繰り返した。そんな本物のプロの姿勢は、昨季まで3年連続で100敗を喫した若いホ軍内でも尊敬を集めるようになった。負けることに慣れていたホ軍が、徐々に勝利に飢える集団へと変わり始め、5月中旬には勝率5割を突破。その後は地区首位争いを繰り広げるなど、「村上効果」は誰もが認めるところとなった。

「応援しかできなかったですけど、チーム一丸となって勝ちに向かってましたから」。大砲村上が復帰したホ軍に、今や低迷球団のイメージはみじんもない。