<マーリンズ7-6オリオールズ>◇23日(日本時間24日)◇ランドシャークスタジアム

 

 【マイアミ(米フロリダ州)=中島正好】オリオールズ上原浩治投手(34)が右ひじの違和感で降板した。交流戦のマーリンズ戦に先発し、6回を7安打1失点に抑えたが、途中から腕に力が入らなくなり76球で降板を申し入れた。5回以降はほとんど85マイル(約137キロ)にも届かず、中4日のローテーションが続く前半戦残る3登板に不安を抱かせた。この日も打線の援護がなく、2勝目を挙げた4月13日レンジャーズ戦以降、10戦連続して白星はお預けとなった。

 誰の目にも異変は明らかだった。伸びを欠く直球は最速88マイル(約142キロ)が3球のみ。それも4回までで、最後2回は86マイル(約138キロ)1球を除けば130キロ台前半にまで減速した。高めに抜けるフォークとのコンビネーションでピンチをしのいだのは、結果オーライだった。

 上原

 後半あまりにも力が入らなくなって、交代をお願いしました。体力的にはまだまだ行けましたが、腕の力が入らなくなって(ボールが)浮き、危ないと思いました。

 5回は先頭アグラに「決して悪い球じゃない。うまく拾われた」とフォークを同点弾とされ、なお無死一、二塁。次打者のバントを好フィールディングで三塁封殺し、なお1死満塁を「グラブにボールが飛んできてラッキーでした」と痛烈なゴロをさばき、併殺で断った。その前には三塁線を破ると思われた打球がベースに当たって戻り、内野安打で済む幸運も重なった。

 はっきり右腕の異変を感じたのは試合途中から。虫の知らせがあったのか「こわごわでした」と、初回から腕を振れなかった。それでも「逆に力が抜けて、真っすぐの切れはいい感じだった」と窮地で最善の策を見つけ、ストライク率77%と早いカウントで勝負。6回まで耐え、先発としての責任を果たした。白星なしは10試合に伸びたが、5戦ぶりにクオリティースタート(先発6回以上を自責点3以内)をクリアした。

 76球は左太ももを痛めて途中降板した5月23日ナショナルズ戦を除けば、最も球数が少ない。上原は「(無理して)やってDL(故障者リスト)は嫌。その前にということ」と大事を取ったとする一方で「明日になってみないと分からないけど、ちょっと嫌な感じもする」と不安を隠さなかった。同様の症状は巨人時代にも経験があるといい、球団スタッフによるとひじの違和感という。

 クレイニッツ投手コーチは「4回以降は明らかに本調子でなかった」と首脳陣が対応に迫られそうなのが、今後のスケジュール。DLから復帰後は中5日のローテーションで3戦を投げたが、24日からオ軍は16連戦に突入。上原が予定する前半戦最後の3先発は、すべて中4日で組まれる。次回ナショナルズ戦2日前の26日にブルペン入りできるかが目安になる。症状の解決法を「知っている」とする上原は「休んでいられない。とりあえず明日、あさってに、どういう感じになるかです」と回復を信じたが、暗雲が漂ってきた。