【ボルティモア(米メリーランド州)26日(日本時間27日)=中島正好】オリオールズ上原浩治投手(34)が右ひじ痛のため、今季2度目の故障者リスト(DL)入りすることが、明らかになった。23日マーリンズ戦で異変を感じて途中降板。この日、ナショナルズ戦前にチームドクターの診察を受け、右ひじの炎症でドクターストップとなった。しばらく投球を控えるよう通達された上原は、今後の見通しについて「全く先は見えない」と白紙状態を強調。残り3週間を切った前半戦出場は絶望の可能性が高くなった。

 右ひじの自覚症状から離脱の覚悟はできていた。上原は試合前の練習を途中で切り上げ、球場を訪れたチームドクターで整形外科医ウィルケンズ氏の診察を受けた。上原は「ドクターストップです。太ももとは違って、肩、ひじは野球生命にかかわるものだから、ちょっと怖い。慎重にやらないと」と説明した。次回28日のナショナルズ戦先発回避が決定し、「球団から発表があると思います」と、今季2度目のDL入りを示唆した。

 当初、球団は「腕の疲労」と発表した。しかし患部の状態について、上原は「炎症のようなもの。投げた当日と次の日はかなり痛かった」と右ひじ痛であることを明かした。消炎剤の注射は打たず、電気治療で患部を動かさず安静に努めることが、最善の回復法だという。巨人時代の06年8月にも右ひじ炎症を経験、そのときは4日間のノースローを経て15日後に先発復帰した。ただ今回は「まだ投げてないので、どういう状態か分からない」と不安が消えない状態。キャッチボール再開が復帰への第1歩だが、「今はボールを握るな、投げるな、と言われている」と今月中は投球厳禁が通達された。

 まさに「魔の23日」になった。左太ももを痛めて前回DL入りの原因となったナショナルズ戦は5月23日で、今回は23日のマーリンズ戦。1カ月間で2度も戦線離脱する不運に泣く。再DLとなれば、復帰は早くても7月10日ブルージェイズ戦から。ただ前半最終カードに間に合わせる必要もなく、球団は治療に専念させる方針。報告を聞いたトレンブリー監督は「症状は和らいでいる」とする一方で、「(復帰までの)ステップは残っている」と慎重な姿勢だった。

 上原は今後の見通しについては「全く先が見えない。何とか投げるようにしたいけど」と、前半戦復帰も厳しい状況で試練のメジャー1年目を折り返すことになりそうだ。