<ブルワーズ5-4ロッキーズ>◇1日(日本時間2日)◇ミラーパーク

 ブルワーズ青木宣親外野手(31)の2年目は、開幕アーチでスタートした。

 ロッキーズとの試合前、いつになく、心はざわついていた。控えだった1年前はベンチスタート。開幕セレモニーの前には、自分だけの時間を確保するため、トイレにこもり、大声を出して集中力を高めた。そして打席では冷静だった。第1打席は際どい球に手を出さず、四球で出塁。昨年4月20日、メジャー1号となるランニング本塁打を放った先発チャシーンの球筋を的確に見極めていた。第2打席。フルカウントからの速球をジャストミートすると、ヤクルト時代にも「記憶がない」という開幕戦アーチにつなげた。「緊張してテンション上がっていたので、いつものホームランより速くベースを回ったかな」と振り返った。

 レネキー監督から「何でもできるし、打線の中で重要な部分」と評される今季は、不動の1番となった。だが、安心感などない。自主トレでは、ユニホームのズボンが1サイズ大きくなるほど、下半身を鍛え上げた。バット、スパイクも新メーカーに変更し、2年目への準備には万全を期した。「200本安打もそうですが、本塁打の数も、もっと増やしたいです」と意欲をかきたてた。

 キャンプ後に現地入りした家族と一緒に、納豆、焼き魚などの朝食をともにし、玄関先で見送られて球場入り。6月には新たに長男(第2子)が誕生予定で、発奮材料には事欠かない。「もう1本欲しかったです。でも、そんなに欲張らずに…」。日本人では10年エンゼルス松井以来となる開幕弾を放ち、チームはサヨナラ勝ち。とはいえ、まだ1試合。目の前の結果だけで、ひと息つくつもりはない。【四竃衛】

 ▼青木が開幕戦で本塁打。日本人の開幕戦本塁打は10年の松井秀喜(エンゼルス)以来、3年ぶり9本目(過去は松井秀4、松井稼2、城島、福留各1)。青木は日米を通じて初めて。青木の開幕戦はヤクルト時代の08年から昨年まで5年連続無安打が続いており、07年中日戦以来6年ぶりの開幕戦安打となった。