<ダイヤモンドバックス2-12ロイヤルズ>◇5日(日本時間6日)◇チェースフィールド

 救援右腕シュルツの初球を狙った。5回2死満塁。ロイヤルズ青木宣親外野手(32)がストライクを取りに来た速球を振り抜くと、鋭い打球が右翼フェンスを越えていった。満面の笑みでダイヤモンドを1周し、両手を広げホームイン。今季1号が自身メジャー初の満塁弾となり「ホームランの感触を忘れていた。入るかどうかと思ったけれど、入ってくれてよかった」と大喜びだ。

 投手心理を冷静に読んでいた。対戦したシュルツは速球派だが、この日がメジャーで4試合目の登板。青木は「データはなかったが、真っすぐの速い投手が初球から変化球は考えにくい」と速球に絞っていた。「甘い球が来たら初球からホームランを打つつもりで、いつもより強振した」と、真ん中に甘く入ってきた153キロを仕留めた。

 日本時代は通算84本塁打で、4度の満塁弾をマークしている。メジャーでは昨季までの2年間で18本塁打も、今季はやっと1号が飛び出し「ホッとしている。なかなかああいう打球が飛ばなかった。2桁打ちたいと思っていた」と話した。

 今季は渡米後初めて故障者リスト入りし、不振にも苦しんできた。だが最近10試合で安打を記録したのは8試合で、ここ4戦連続安打と復調の兆し。プレーオフ進出を目指すチームを引っ張るため、この満塁弾を契機にする。

 ▼青木が大リーグ移籍後初の満塁本塁打。日本人大リーガーの満塁本塁打は7人目で、松井秀喜(エンゼルス)が10年6月26日ロッキーズ戦で放って以来、4年ぶり18本目。過去は松井秀6本、イチロー4本、新庄、井口、城島が各2本、福留1本。青木は日本で満塁本塁打を4本記録しており、最近では08年6月12日楽天戦以来。