<レッドソックス10-4ヤンキース>◇27日(日本時間28日)◇フェンウェイパーク

 ヤンキース田中将大投手(25)が、今季最終登板となるレッドソックス戦に先発し、メジャー最短の1回2/3を投げ、ワーストの7失点(自責5)でKOされた。右肘痛から復帰後2戦目の早期降板を不安視する声も出たが、田中は「体は大丈夫」と強調。2年目の来季へ向けて、飛躍を誓った。

 残った数字は自己ワーストばかりでも、試合後の田中に深刻さはなかった。1回2/3しか持たず、7失点(自責5)でマウンドを譲ったが、暗く落ち込むことはなかった。「投球内容は良くなかったですが、体の部分では大丈夫だと思います。あれだけ点を取られたらしょうがないです」。むしろサバサバしていた。

 21日(同22日)に右肘痛から復帰して以来、中5日のマウンド。プレーオフ進出の可能性が消滅した「消化試合」でもあり、気持ちを集中させるのは簡単ではなかった。いつになく狭いストライクゾーンもあり、細かい制球に苦しんだ。初回は3ボールが2回。2回裏は、2打者にストレートの四球を与えた。「ぎりぎりのところが全部少しずつずれてボールの判定になってしまった」と反省した。

 来季への不安は残った。わずか50球しか投げられず、しかもストライクは50%の25球。全20試合で最悪の結果に、試合後、地元メディアからの質問も、痛めた右肘に集中した。それでも故障箇所については、「大丈夫です」と笑みを浮かべながら繰り返した。ジラルディ監督も「健康の異常ではない。ただ、制球に問題があっただけだ」と不安説を一蹴した。

 ただ、交代後にダッグアウトへ向かう際に、右肩をしきりに回すなど、右肘以外の箇所に負担がかかっていた可能性も捨てきれない。いずれにしても、今オフの体の手入れが重要となることは確か。「オフシーズンにしっかり鍛え直して、来季キャンプ、来年に入っていく部分で良くしていけると思います」と締めた。デビュー直後から白星を重ね、ニューヨークだけでなく、全米中の注目を集め続けた1年目。田中にとって、メジャーで戦える確かな自信と同時に、明確な課題を感じられるシーズンだったに違いない。【四竈衛、水次祥子】