<ワールドシリーズ:ジャイアンツ9-0レンジャーズ>◇第2戦◇28日(日本時間29日)◇AT&Tパーク

 【サンフランシスコ(米カリフォルニア州)=大塚仁、四竈衛、水次祥子】ナ・リーグ覇者のジャイアンツが、地元で連勝した。先発マット・ケーン投手(26)が、強打のレンジャーズ打線を8回途中まで0封。メジャー15年目のエドガー・レンテリア内野手(35)が先制弾を含む3打点を挙げる活躍で、レ軍を振り切った。第3戦は30日、テキサス州アーリントンで行われる。

 背番号「18」に降り注ぐ地元ファン総立ちの拍手が、ご褒美だった。8回表2死二塁。ダッグアウトへ向かうケーンは、スコアボードに「0」を並べたまま、救援ロペスにバトンを渡した。「接戦で投げることには慣れているからね」。度胸満点の投球で、強打のレ軍打線をわずか4安打に封じ込めた。

 地区シリーズ第2戦で失策絡みで1点を許したものの、今ポストシーズンは3試合、21回1/3を投げて自責点0。得点圏に走者を置いた場面で15打数1安打と、驚異的な粘り強さで適時打を防いできた。

 02年ドラフト1巡目(全体25位)指名。05年に20歳でメジャー昇格して以来、ジ軍のローテーションを守り続けてきた。昨季は自己最多の14勝を挙げ、球宴にも初出場。若き右腕が忘れていないのが、昨年限りで引退した元同僚ランディ・ジョンソンの助言だった。「長い回を投げるには、早く打者を追い込むことが大事。そうすれば、打者は当てに行くようなスイングになったりする」。その言葉通り、2ストライク以降に12回追い込み、1安打1四球。最速は93マイル(約150キロ)止まりだったが、要所で強気に内角を攻め続け、レ軍打線を分断した。

 ボウチー監督はケーンの好投を絶賛。「彼は最も安定した投手で、これまでは不運な部分もあった。2勝したのはナイスだが、まだやることは残っている」。連勝スタートしたチームの世界一確率は78・4%。56年ぶりの頂点は着実に視界へ入ってきた。【四竈衛】