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日本ハム中島が行き着いた貴重な武器

 「野球はチームスポーツである」。あらためて思った。誰だって160キロを投げたり、豪快なホームランが打ちたいに決まっている。だが現実的に、そんなわけにはいかない。

 「僕はホームランバッターではないし、相手が嫌がることをやっていかないと生き残っていけない。凡打でも球数を投げさせたり、簡単に三振しなかったり。そういうことが大事だと思っています」。

 自身の存在価値を認識し、カット打法へと行き着いた日本ハム中島の言葉だ。チームに必要とされるためには、勝利に貢献するためには、自分が何をすればいいのか、しなきゃいけないのか。それを見つけることができれば、結果的に選手としての価値、評価を高めることにもなる。

 本文にも書いたが、栗山監督は中島の存在を「監督としては本当に助かる」と言った。「だって全員タク(中島)だったら、1試合300球も400球も投げないといけなくなるよ」と。もちろん仮定の話だが、「全員が中田翔」のチームよりも「全員が中島」のチームの方が、シーズンを勝ち抜いていく確率も高かったりするんだろうと思う。

 「相手の投手は僕でアウトを取りたいと思っているでしょう。四球を選ばれるとダメージも大きいはず。気持ちがいいのはヒットを打ったときですけど、うれしさは四球を選んだときの方があるかもしれませんね」。特徴を、強みを手にした中島は、自信を持って、こう言ったのが印象的だ。

 ちなみに、この原稿を書くにあたり、中島は春季キャンプで体は疲れ、忙しい中、数日に渡って私の“粘り”の取材にも嫌な顔ひとつせず付き合ってくれた。打席で相手にするのは嫌かもしれないが、本当はとても気さくで、すがすがしいナイスガイであることは言っておきたい。【本間翼】

 [2015年2月19日0時28分]









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