開幕スタメンへの道が見え始めた。右足首の手術を受け、B組(2軍)キャンプで調整中のソフトバンク長谷川勇也外野手(30)の最短復帰プランが22日、分かった。3月初旬から2軍戦に出始め、万全の状態に仕上げて、11日巨人とのオープン戦(ヤフオクドーム)で1軍に合流、開幕スタメンへ結果でアピールする青写真だ。

 強力打線完成へ最後のピースが戻ってくる。B組で調整を続けている長谷川が状態を上げてきた。前日21日、オリックスとのオープン戦が行われているメーン球場の隣の第2球場で、同時刻に黙々とフリー打撃を行っていた。使い古して飛ばないと言われるファームの練習球をフェンスの向こうへ力強く次々と運んだ。昨年12月に右足首を手術したが、打撃に関してはほぼ支障はなくなっている。

 「しっかり9イニング打って守ってという状況が一番いい」。もちろん1軍へは代打ではなく右翼のレギュラーとして復帰する。ここまでのキャンプで、ベースランニングもできるようになり、スライディングの練習もした。残るは守備だけ。打球への急な動きや送球時に右足でしっかり踏ん張れるようになれば、フル出場も可能になってくる。

 「すべて思っているようにいくとはなかなかいかない。新監督なので気を使ってもらわない状態にしてから。見切り発車はあまりよくない」と本人は慎重だが復帰プランはできている。

 2月中は宮崎で調整を続け、3月3日、4日のウエスタン教育リーグ中日戦(ナゴヤ)の遠征に参加。そこで初の実戦を迎える。福岡へ戻り5、6日の同阪神戦(雁の巣)で打席を重ね、7、8日の同広島戦(雁の巣)で守りも含めフル出場ができれば、11日のヤフオクドームでの巨人とのオープン戦から1軍に戻る。 この時期なら開幕の2週間前にはベストオーダーを完成させたいという工藤監督の考えにも間に合う。長谷川は「実戦に入っていい結果がでるようにと(打ち込みを)やっている。実戦をやらないとなんともいえない」と話す。11日からならオープン戦を9戦こなすことができ、27日のロッテとの開幕戦(ヤフオクドーム)には万全で臨める。

 今季再びフルイニング出場、200安打に挑戦する打撃職人が、開幕から元気な姿を見せてくれそうだ。

 ◆長谷川の右足首負傷 昨年9月3日オリックス戦(ヤフオクドーム)で、4回に柳田の左前安打で二塁走者として本塁に突入。捕手と激突し右足首を外側へひねり捻挫した。7回から交代しフルイニング出場が305試合でストップ。その後は代打として日本シリーズまで戦った。痛みが引かず、12月4日に奈良県内の病院で内視鏡による右足関節骨棘(こっきょく)切除術及び遊離体摘出術を行った。全治2カ月で、医師の制限を受けながらもバットを振り込んできた。