DeNA高橋尚成投手(40)が18日、横浜市内の球団事務所で引退会見を行った。

  記者会見の内容は以下の通り。

 -今の率直な気持ちは

 高橋 すっきりしています。すっきりとしているとこしかない。

 -いつ引退を決断したのか

 高橋 高田GMに直接伝えたのは9月10日ぐらい。去年から、今年ダメだったユニホームを脱ごうと思っていた。それぐらいの覚悟はここ2、3年、毎年、ずっと思い続けてきた。去年ぐらいからは、家族にも言ってきた。

 -家族の反応は

 高橋 嫁はまだ実感していない気持ちはあるとは思うけど、現実を見て前に進んでいこうと言いました。

 -一番、印象に残っていることは

 高橋 最初に登板した日。日本での初登板、日本シリーズのでの初登板、アメリカでの初登板。節目、節目で印象に残った試合がたくさんある。

 -印象に残っている打者は

 高橋 やっぱり松井さんですね。尊敬している先輩ですし、同じチームでもプレーし、対戦もした。対戦したときはすごくワクワクしたし、身震いした。

 -日米通算16年もの期間、活躍できた最大の要因は

 高橋 自分ことを常に考えながら、野球選手として大きくない体で必死になって戦ってきた。大きな人たちにどうやって勝たなくちゃいけないか、どういうところで勝っていかないといけないのかということを考えながら16年間やってきた。

 -高橋尚成の野球人生を一言で言うと

 高橋 よく体が頑張ってくれた。体に感謝したい。

 -今後の夢は

 高橋 今まで経験してきたことを若い人たちに知ってもらいたいし、そのへんを教えていけたらいい。次世代にも高橋尚成みたいな、はちゃめちゃな投手が出てくればいいなと思うし、指導者になっていきたい気持ちはある。ただ、いろいろなことをやってみたいと頭にありすぎて、どれを選択していいかわからない。まだ、今は夢まではいかない。

 -高橋尚成にとって野球とは

 高橋 幼い頃から野球とともに生きてきた人生だった。常に横にいて肩を組んで成長させてもらったのが野球。親友だと思っています。

 -10月2日の巨人戦が最終登板になる可能性が高いが

 高橋 まだ想像がつかないが、自分らしく投げたい。最後、どんな形になろうが、きっちりとした形で締めくくりたいと思う。

 -引退を決意した試合、シーンは

 高橋 中継ぎとして登板した最後の広島戦(8月16日)で新井に本塁打を打たれて、これで引退だなと覚悟した。大学時代にずっと、(学年が)1つ下で仲良くプレーしてきた仲間に打たれて、すっきりした気持ちもあったし、本当に覚悟を決めた。

 -力が及ばなくなったのか、それとも気持ちの面なのか

 高橋 体力的にはまだまだ無理をすれば、いける自信はあった。でも、気持ちの方が前を向かなくなって、悔しさがなくなった。こういうときに引退を決めるんだなと見えた。気持ちの面が大きい。

 -中畑監督に対しての思いは

 高橋 監督の熱い言葉が、常に気持ちを前に向けてくれた。本当に感謝している。監督を男に出来なかったことが、すごく悔しい。大先輩でもある中畑監督を胴上げしたかった。その力になれなかったのは本当に悔しい。

 -野球人生を振り返って、やりきったという達成感と、もう少しやりたかったという気持ちとどっちが大きいか

 高橋 悔いがないというのはうそになるけど、やりきったという気持ちが大きい。悔しいのはあるけど、すっきりした気持ちでいます。

 -具体的に悔しさの部分とは

 高橋 ベイスターズで1勝も出来なかった。どんな形であってもチームに貢献出来なかったのは悔しい。

 -野球人生での誇りは

 高橋 アメリカにいって結果が出たことは誇り。ジャイアンツでも10年できた。人気球団でいろいろな人と切磋琢磨(せっさたくま)してできたことも誇り。ベイスターズで2年という短い間だったけど、それも誇り。すべてが誇りです。

 -最後にファンに向けて

 高橋 本当に16年間、心が折れそうなときもファンのみなさんの声援があったから立ち上がって前を向いて野球ができたと思います。本当に長い間、支えてくれたファンのみなさんには感謝しています。