世界一を目指した侍ジャパン(B組1位)が韓国(B組3位)にまさかの逆転負けで決勝進出を逃した。1次ラウンドB組初戦で快勝した韓国との再戦。先発の大谷翔平(21=日本ハム)が7回を投げ1安打無失点、11奪三振の力投で韓国打線を寄せ付けず。2番手則本昂大(24=楽天)が8回を無失点で抑え、4回に平田良介(27=中日)の適時打などで挙げた3点を守り9回を迎えたが、続投の則本が3連打を浴びるなど暗転。3番手松井裕樹(楽天=20)、4番手増井浩俊(日本ハム=31)をつぎ込んだが押し出し四球などで4点を奪われ逆転された。

 日本は21日の3位決定戦に回る。20日に準決勝のもう1試合、米国-メキシコが行われ、決勝と3位決定戦は21日に行われる。



チーム
韓 国
日 本

【日】大谷、則本、松井、増井

【韓】イ・デウン、車雨燦、沈昌珉、鄭ウラム、林昶ミン、鄭大炫、李賢承

日本対韓国 9回裏日本2死一塁、代打で三ゴロに倒れ最後の打者となる中村剛(撮影・野上伸悟)
日本対韓国 9回裏日本2死一塁、代打で三ゴロに倒れ最後の打者となる中村剛(撮影・野上伸悟)

【1回表】

日本先発は大谷。

先頭の1番鄭根宇を1球で三ゴロに打ち取ると、2番李容圭の3球目に160キロを計測。李を三ゴロに仕留める。3番金賢洙の初球にも再び160キロと早くもエンジン全開。金は159キロ直球で空振り三振、3者凡退に退ける。


【1回裏】

韓国先発はロッテでプレーする右腕イ・デウン。

先頭の1番秋山は鋭い当たりの遊直、2番坂本は遊ゴロに倒れたが3番山田が四球で歩き、簡単に3人では終わらせない。4番筒香の2球目が暴投となり一塁走者の山田が二塁へ。筒香はストレートの四球で2死一、二塁とする。先制のチャンスで今大会好調の5番中田に打席がまわったが、打ち上げてしまい遊飛に倒れ得点ならず。

日本対韓国 韓国戦に先発する大谷(撮影・加藤哉)
日本対韓国 韓国戦に先発する大谷(撮影・加藤哉)
日本対韓国 韓国先発イ・デウン(撮影・清水貴仁)
日本対韓国 韓国先発イ・デウン(撮影・清水貴仁)

【2回表】

大谷は先頭の4番李大浩に対し、左肘付近に死球を与えてしまう。1死後、6番閔炳憲はバットをへし折り二ゴロ併殺に仕留める。わずか6球でこの回を終わらせる。


【2回裏】

先頭の6番松田は一邪飛に倒れたが、7番中村晃が外角の変化球を上手く流し左前打で出塁。8番平田は右飛、9番嶋は遊ゴロに倒れる。


【3回表】

大谷は7番黄載鈞を157キロ直球で見逃し、8番梁義智を160キロ直球で空振りで連続3球三振に仕留める。9番金宰鎬は初球を一ゴロ。この回も3者凡退、7球で終わらせる。


【3回裏】

先頭の1番秋山は一ゴロ、2番坂本は見逃し三振に倒れるが、3番山田が左肘付近をかすめるような死球で出塁。4番筒香がカウント1-2から大きく打ち上げた打球は投手、捕手、一塁手、三塁手の4人がお見合いする形で投前にポトリと落ち、山田は三塁、筒香も二塁に達するが、打球はそのままファウルゾーンへ。結局、筒香は一直に倒れ得点ならず。


【4回表】

大谷は1死後、2番李容圭から外角高めへの142キロフォークで空振り三振。3番金賢洙からも160キロ直球で空振り三振を奪い3者凡退。韓国打線を完全に封じ込める。


平田適時打などで3点先制!

【4回裏】

好投の大谷に応えたい打線は、先頭の5番中田がきわどい球を見極め四球で出塁。6番松田は空振り三振に倒れるが、7番中村晃が内角球をしっかり腕をたたんで中前に落とし1死一、三塁とする。8番平田が鮮やかに三遊間を破る適時打で待望の先制点を挙げる。

なおも1死一、二塁で9番嶋の高いバウンドのゴロが遊撃手の野選と二塁への悪送球を誘い、二塁走者の中村晃が生還し2点目が入る。

1死一、三塁となり韓国は2番手左腕車雨燦が登板。なおも1番秋山が歩き1死満塁とし、2番坂本がきっちり右犠飛を放ち3点目が入る。3番山田は見逃し三振に倒れる。

日本対韓国 4回裏日本1死一、三塁、先制の左前適時打を放ちガッツポーズを見せる平田(撮影・河野匠)
日本対韓国 4回裏日本1死一、三塁、先制の左前適時打を放ちガッツポーズを見せる平田(撮影・河野匠)

大谷すごい!圧巻の3者連続三振

【5回表】

先制点をプレゼントされた大谷の投球がますます冴え渡る。先頭の4番李大浩は見逃し、5番朴炳鎬は空振り、6番閔炳憲は見逃し、いずれも変化球で三振を奪う。これで前の回から5者連続三振。


【5回裏】

先頭の4番筒香は中飛に倒れるが、5番中田が四球を選び出塁すると6番松田の打席で気迫のヘッドスライディングで二盗に成功。松田は見逃し三振、7番中村晃は二ゴロに倒れ得点ならず。

日本対韓国 5回裏日本1死一塁、中田はヘッドスライディングで二塁盗塁成功(撮影・浅見桂子)
日本対韓国 5回裏日本1死一塁、中田はヘッドスライディングで二塁盗塁成功(撮影・浅見桂子)

【6回表】

5回を終え無安打投球の大谷はこの回も、9番金宰鎬から直球で空振り三振を奪うなど簡単に3者凡退に退ける。

日本対韓国 力投する日本先発の大谷(撮影・山崎安昭)
日本対韓国 力投する日本先発の大谷(撮影・山崎安昭)

【6回裏】

8番平田は左飛、9番嶋は三邪飛、1番秋山は空振り三振。3者凡退に終わる。


【7回表】

大谷は先頭の1番鄭根宇に中前に運ばれ、この試合初安打を許す。それでも2番李容圭を158キロ直球で空振り三振、3番金賢洙を157キロ直球で空振り三振、4番李大浩を三ゴロに仕留め二塁を踏ませず。


【7回裏】

韓国はこの回から3番手右腕沈昌珉が登板。

先頭の2番坂本が四球で出塁すると、3番山田の打席で初球から積極的に走り二盗に成功。山田も四球を選び無死一、二塁とする。ここで韓国は4番手左腕鄭ウラムが登板。

絶好の追加点のチャンスを迎えたが4番筒香は見逃し三振、5番中田は中飛、6番松田は左飛に倒れる。


【8回表】

日本は2番手則本(楽天)が登板。

則本は7番黄載鈞から155キロ直球で空振り三振を奪うなど3者凡退に退ける。


【8回裏】

7番中村晃は際どいタイミングの遊ゴロに倒れるが8番平田が左前、9番嶋が右前に運び1死一、二塁と7回に続き追加点のチャンスを迎える。1番秋山は中飛に倒れるが、二塁走者の平田がタッチアップで三塁へ進み2死一、三塁。

韓国はここで5番手右腕林昶ミンが登板する。

2番坂本は空振り三振に倒れ追加点ならず。


【9回表】

則本はこの回も続投。先頭の8番代打呉載元、9番代打孫児葉に連打を許し一、二塁とされると、1番鄭根宇に三塁線を破る適時二塁打を打たれ1点を失う。なおも無死二、三塁で2番李容圭に対し、内角へ投じたボールが左肘をかすめた死球と判定され満塁とされると、小久保監督自らがマウンドへ。3番手松井(楽天)への交代を告げる。

無死満塁で登板した松井は3番金賢洙に対し3球続けてボール。4球目は外角低めいっぱいにストライクを取るが5球目が外角へ外れ、押し出し四球で2点目を奪われる。再び小久保監督がマウンドへ向かい4番手増井(日本ハム)への交代を告げる。

なおも無死満塁。増井は4番李大浩に対しカウント1-2から左翼へ適時二塁打を許し2点を奪われ3-4と逆転される。一塁走者の李大浩に代走ナ・ソンボムが送られる。

なおも無死一、二塁で5番朴炳鎬を遊直に抑えようやく1死。、6番閔炳憲に左前に落とされ満塁とされるが7番黄載鈞を遊飛に打ち取り2死。8番呉載元の打球は前進守備の中堅後方を襲う大飛球となるが、中堅秋山が背走し最後はジャンピングキャッチ。追加点は許さず。

9回表韓国無死満塁、金賢洙に押し出し四球を与え降板する松井(左)(撮影・河野匠)
9回表韓国無死満塁、金賢洙に押し出し四球を与え降板する松井(左)(撮影・河野匠)
9回表日本無死満塁、李大浩に逆転の2点適時左前打を浴びぼうぜんとする増井(撮影・河野匠)
9回表日本無死満塁、李大浩に逆転の2点適時左前打を浴びぼうぜんとする増井(撮影・河野匠)

【9回裏】

韓国は6番手右腕鄭大炫が登板。8番に姜珉鎬が入り捕手、9番に金相竪が入り遊撃。

1点を追う日本は先頭の3番山田が空振り三振。4番筒香は強い当たりも一ゴロに倒れ2死。4番中田が詰まりながら中前に落とし希望をつなぐ。一塁走者中田の代走に中島(日本ハム)が送られる。ここで6番松田に代わり代打中村剛(西武)が打席へ。韓国は7番手左腕李賢承が登板する。

中村剛はカウント1-0から三ゴロに倒れ試合終了。まさかの逆転負けで決勝進出を逃した。


<日本スタメン>

(中)秋山翔吾(西武)

(遊)坂本勇人(巨人)

(二)山田哲人(ヤクルト)

(指)筒香嘉智(DeNA)

(一)中田翔(日本ハム)

(三)松田宣浩(ソフトバンク)

(右)中村晃(ソフトバンク)

(左)平田良介(中日)

(捕)嶋基宏(楽天)

先発投手 大谷翔平(日本ハム)


<韓国スタメン>

(二)鄭根宇

(中)李容圭

(左)金賢洙

(指)李大浩

(一)朴炳鎬

(右)閔炳憲

(三)黄載鈞

(捕)梁義智

(遊)金宰鎬

先発投手 イ・デウン

日本対韓国 試合前の円陣で「熱男 ! 」と音頭を取る松田(撮影・小沢裕) 
日本対韓国 試合前の円陣で「熱男 ! 」と音頭を取る松田(撮影・小沢裕) 
日本対韓国 試合前練習に参加した中村剛(撮影・河野匠)
日本対韓国 試合前練習に参加した中村剛(撮影・河野匠)

<日本メンバー>

<投手>

10 松井裕樹(20=楽天)

11 菅野智之(26=巨人)

14 則本昂大(24=楽天)

15 沢村拓一(27=巨人)

16 大谷翔平(21=日本ハム)

18 前田健太(27=広島)

19 増井浩俊(31=日本ハム)

21 西勇輝(25=オリックス)

22 大野雄大(27=中日)

24 山崎康晃(23=DeNA)

29 小川泰弘(25=ヤクルト)

30 武田翔太(22=ソフトバンク)

35 牧田和久(31=西武)

<捕手>

27 炭谷銀仁朗(28=西武)

37 嶋基宏(30=楽天)

52 中村悠平(25=ヤクルト)

<内野手>

2 今宮健太(24=ソフトバンク)

3 松田宣浩(32=ソフトバンク)

5 川端慎吾(28=ヤクルト)

6 坂本勇人(26=巨人)

9 中島卓也(24=日本ハム)

13 中田翔(26=日本ハム)

23 山田哲人(23=ヤクルト)

60 中村剛也(32=西武)

<外野手>

7 中村晃(26=ソフトバンク)

8 平田良介(27=中日)

25 筒香嘉智(23=DeNA)

55 秋山翔吾(27=西武)


【プレミア12メモ】

 世界野球ソフトボール連盟(WBSC)主催で新設された国際大会で、4年に1度開催。世界ランク上位12チームが出場する。1次ラウンドは6チームずつ2組に分かれ、各組上位4チームが決勝トーナメントに進む。

【主な大会規定】

 ◆1次ラウンドは6チームがA、B各組に分かれ、総当たりで対戦。上位4チームずつが決勝トーナメントに進む。

 A組はキューバ(WBSCランク3位)、台湾(4位)、オランダ(5位)、カナダ(7位)、プエルトリコ(9位)、イタリア(11位)。B組は日本(1位)の他、米国(2位)、ドミニカ共和国(6位)、韓国(8位)、ベネズエラ(10位)、メキシコ(12位)。

 指名打者制を採用し、球数制限はなし。コールドは5回15点差、7回10点差以上で適用し、準決勝、決勝では適用しない。延長10回以降は無死一、二塁からタイブレーク制。使用球はミズノ社製(NPB統一球)