オリックスが、今秋ドラフト会議で育成選手の大量指名を検討していることが21日、分かった。現在の育成選手は投手の戸田、捕手の赤松の2人だけ。これを試合が実現可能な人数に増やし、3軍制の布石にする狙いだ。3軍制はソフトバンク、巨人が導入している。特にソフトバンクは選手層の厚さを呼び、1軍の好結果につながっている。

 育成選手を多く抱えるためには資金と環境が必要。オリックスは業績好調な本社のバックアップを受けた豊富な資金力がある。また環境面でも来春、大阪・舞洲地区に練習拠点が完成。育成選手の増加を見越してか、クラブハウスのロッカーは支配下登録選手の上限70人に対し100人分のスペースを用意している。

 3軍制が実現すれば実戦漬けを図る。加藤編成部長は「大阪には強い社会人、クラブチームが数多くある。1、2軍が遠征で大阪にいないときでも、育成選手が残って試合をすれば鍛えられる」との青写真を明かした。ただコーチ陣の人員の問題など、実現への課題は残されている。

 96年を最後に優勝から遠ざかっているオリックス。近年の低迷は生え抜きの活躍が少ないことも原因として指摘されており、育成制度のフル活用もチーム強化への検討材料にする。