5年目で初めての「4番投手」で臨んだ日本ラスト登板を、日本ハム大谷翔平投手(23)はひとりで投げ抜いた。今オフにポスティングシステムを利用してメジャー挑戦する意思を固めている大谷が4日、オリックス25回戦(札幌ドーム)に先発し、2安打、10奪三振で今季初完封勝利を飾った。

 メジャーでの二刀流も実現する可能性は十分ありそうだ。この日の試合前に、視察に訪れたドジャースのアンソポロス副社長が取材に応じた。「特定の選手についてはコメントできない」と前置きをしたが、一般論として「二刀流の可能性のある選手がいるなら、その可能性を追求していくのは可能だと思う」と、話した。日本で5年間、投打で活躍してきた大谷についても「可能性があると思う」と、前向きに答えた。

 同副社長は15年までブルージェイズでGMを務めていた。今の大リーグでシーズンを通して二刀流でプレーする選手は「いない」と、ハードルの高さも力説した。野手で内外野を守れるような選手は価値が高いことも理解しており、「(二刀流は)内野と外野をやるのと同じではないけど、まずは、本人がやりたいかどうか」。個々の選手の力量に加えて強い意欲も求められると説明した。

 この日は札幌ドームにメジャー11球団16人が集結した。レッズはウィリアムズGMが視察した。あるア・リーグのスカウトは二刀流での完封劇を見て「彼はメジャークラスだよ」と絶賛。プロ入り時は二刀流に否定的な意見も多かったが、この5年間で実績を積み重ね、メジャーも含めて見方は大幅に変わった。