阪神高山俊外野手(24)が逆襲に打って出る。12日は実戦3試合目の紅白戦。過去2戦は8打席無安打で、この日も2打席、凡退していた。最終6回は先頭で打席へ。石崎の速球を強振すると強烈なゴロで一、二塁間を破った。18年実戦初安打だ。

 長距離砲の中谷や俊介らと中堅のレギュラー争いを展開し、中谷は前日11日にDeNAとの練習試合で、左翼に今季1号2ランを放っていた。この日も三塁線を破る適時二塁打をマーク。高山の胸中を代弁したのは金本監督だ。自ら切り出すように「1本出てホッとしているのは、高山が一番、ホッとしているんじゃないかな」と振り返った。

 16年の新人王も昨季は不振から抜け出せなかった。今年は巻き返しを図るシーズンだ。宜野座キャンプでもコンパクトな打撃フォームで強打を心掛けてきた。結果が出なかった現状を指揮官は「タイミングだけ。どちらか言えばタイミングが合わなくて、崩れてしまうタイプ。(体が)開いたり、泳いだり、詰まったり。体のリズムさえ戻ってくれば、スイングはもともといいからね」と指摘した。

 中堅も群雄割拠だ。昨季チーム最多の20本塁打を放った中谷は好調を維持し、新人の俊足島田がダークホースとして1軍を見据えている。指揮官は高山に「いいなあ、島田」と話し掛けるという。発奮材料が多い環境だが、ひたすら自らの最善を尽くす。片岡ヘッド兼打撃コーチも「今までそんなに悪くなかったけど、結果を欲しがっていた。競争が力みにつながっていたなかで1本出て良かった」と話す。地に足をつけて、反撃に出る。【酒井俊作】