阪神が攻守で精彩を欠き、自ら勝機を手放した。両軍無得点の2回無死一塁。平田のゴロは遊撃正面へ。普通の併殺コースだったが、植田が痛恨のトンネル失策。2死走者なしのはずが無死二、三塁の窮地に立った。

その直後だ。高橋の右前適時打であっさり2失点。先制点を失うと流れは一気に中日へ。

金本知憲監督が「ゲッツーと思ったでしょうしね、投手も。練習するしかない」。

打線も技巧派左腕の笠原に惑わされ、いたずらに凡打の山を築く。8回に4安打を集中して、1点を奪うのが精いっぱい。

指揮官も「チェンジアップがいい抜けをしていましたし、スライダーも曲がったり曲がらなかったりだったみたいだね」と力なく振り返った。

前日4日ヤクルト戦に敗れてCS進出の可能性が消えた。10月5連敗で今季最多の借金17に増え、金本阪神ワースト借金19(16年)が迫る。何より、甲子園では1分けを挟んで8連敗の泥沼。本拠地借金は過去最多の19だ。指揮官は「今日、お客さんいっぱい入っているので。何とか喜ばせてあげたいんですけどね」と渋い表情。5位中日と1・5ゲーム差に開く。01年以来、17年ぶり最下位の悪夢がちらつく。