4年目のロッテ岩下が、初先発初勝利を挙げた。85球目。6回2死一、三塁のピンチで楽天銀次を146キロ直球で左飛に打ち取ると、グラブを力強くたたいた。「バテバテでした。球が浮いてきてた」と苦笑いするも、堂々の6回4安打無失点投球だった。

ここまで中継ぎで16試合に登板して6ホールド。だが井口監督は来季の先発ローテの一角に見込んでいた。「今季の中で何本かに入るいい投球。気持ちが入っていた」と投げっぷりの良さを高評価。岩下や7試合に先発した種市ら、若手がチャンスでアピールできているのが井口ロッテ2年目への好材料といえる。

15年オフにトミー・ジョン手術、昨年は腰椎椎間板ヘルニア手術と苦労が続いた。試合後は石川県から観戦に駆けつけた母美紀さんに直接、記念球をプレゼント。「勝ち投手になるとか、勝ちパターンになるとか。そこを目指していきたい」。勝利の味は確固たる目標を見せた。【鎌田良美】

◆岩下大輝(いわした・だいき)1996年(平8)10月2日、石川県穴水町生まれ。星稜から14年ドラフト3位でロッテ入団。4年目の今年、7月24日ソフトバンク戦でプロ初登板。今季推定年俸550万円。181センチ、80キロ。右投げ右打ち。