中日荒木雅博内野手(41)が6日、ナゴヤドームで引退会見を行った。昨季2000安打を達成、16年には高木守道の球団記録を抜く通算370盗塁をマークした韋駄天(いだてん)は、13日の本拠地ナゴヤドームでの今季最終戦(阪神戦)でスタメン出場し、引退セレモニーを行う。

会見に臨んだ荒木は「本当にやり切った。やり切り過ぎて涙も出ない」と終始笑顔だった。今年1月4日にプロ入り最初の監督だった星野仙一氏が他界した。「入団した時が星野さんの2回目の監督の1年目。そこから始まって、今年の1月に亡くなられた。その年に自分がユニホームを脱ぐ。感慨深かった」。開幕は2軍で迎えた。「そこから徐々に(引退を)考えるようになった」。出番の減少と恩師の他界が、引退の2文字を頭に浮かばせた。

13日の阪神戦はスタメン出場が予定されている。「もう1個だけ走りたい。盗塁したい」。20年連続盗塁をモチベーションにラストゲームに臨む。

◆荒木雅博(あらき・まさひろ)1977年(昭52)9月13日、熊本県生まれ。熊本工から95年ドラフト1位で中日入団。07年盗塁王。ゴールデングラブ賞二塁手部門を04~09年に6年連続受賞。04~06年ベストナイン。昨年6月に通算2000安打達成。今季は内野守備走塁コーチ兼任。180センチ、77キロ。右投げ右打ち。