中日次期監督の最有力候補に、球団OBで今季まで楽天2軍投手コーチを務めた与田剛氏(52)が挙がっていることが8日、分かった。

内部昇格も検討されたが、90年代の絶対的守護神だった同氏に白羽の矢が立った。球団は一本化に向けて最終調整を進めており、白井文吾オーナー(90)の承認を受けて発表の運びとなる。

同氏は89年ドラフト1位で中日に入団。1年目の90年には最速157キロの速球を武器に31セーブを挙げ、新人王と最優秀救援投手賞の2冠に輝いた。引退後はWBC日本代表の投手コーチ、楽天の1軍、2軍投手コーチを歴任しキャリアを重ねてきた。

今季の中日は救援陣が崩壊し、2年連続の5位が確定した。試合中盤以降に逆転され、8日までに逆転負けが37試合を数えた。山井、松坂、吉見らベテラン先発陣、若手では笠原、藤嶋らが奮闘したが、期待された3年目の小笠原、2年目の柳らドラフト1位が伸び悩んだ。岩瀬、浅尾ら黄金期を支えた中継ぎ陣も今季限りで引退し、投手陣の再建は急務。球団は、7年ぶりAクラス入りを託せる人物として同氏を見込んだ。

25日のドラフト会議に向け、中日は大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)の1位指名を公表。西山球団代表はこの日「クジは監督が引く」と明言した。最終調整を経て、竜の再建は剛球右腕に託される。

◆与田剛(よだ・つよし)1965年(昭40)12月4日生まれ、千葉県出身。木更津中央-亜大-NTT東京を経て89年ドラフト1位で中日入り。1年目から抑えを務め、31セーブで最優秀救援投手を獲得。その後ロッテ、日本ハム、阪神と移り引退。09、13年WBC投手コーチ。16年から楽天コーチを務め今季限りで退団。通算148試合、8勝19敗59セーブ、防御率4・58。現役時代は182センチ、84キロ。右投げ右打ち。