ヤクルトは29日、埼玉・戸田球場での新人合同自主トレを打ち上げた。18日間の練習を終えた選手の表情は、充実していた。例年とはひと味違った新人合同自主トレに「潜入」した。

橿渕スカウトグループデスクは「例年の約2・5~3倍くらいの練習量だった」という。キャンプ中にケガする新人が出ないよう、練習量増に踏み出した。これまで午前中のみだった練習を2部制に変更。例年より早い8時45分にストレッチをスタートし、午前に技術練習を行った。午後はウエートやランニング。育成2位の松本友内野手(23=BC・福井)は「午後のランニングは特にきつかった」と振り返った。

内容も工夫した。例年なら自主トレ期間中の打撃練習は屋内のみだった。キャンプで行う屋外での打撃練習で変化に戸惑い、力んでしまう選手もいた。今年は第3クールから屋外でのフリー打撃を導入した。投手はブルペン入りの手順を変更した。キャッチボール後、すぐに入らず、守備練習を挟んだ。キャンプではブルペンの順番待ちもある。その点を想定した。

日本ハムは早朝に座学を実施。ダッシュや長距離走などではタイムを測らず、競わせない。巨人はスタイリング講座やメディアトレーニング、確定申告の指導なども行っている。新人合同自主トレには、各球団の特色が出る。ヤクルトの2月1日からの浦添キャンプでは、ドラフト1位清水昇投手(22=国学院大)と同8位吉田大成内野手(23=明治安田生命)の2人が1軍スタートを切る。自主トレ中、積極的にブルペン入りした清水は「すごく充実した時間で、短く感じた。キャンプは球春到来という感じ。足元を見つめてやりたい」と意気込む。新たな取り組みがどう成果に結びつくか? キャンプでの新人の動きに注目だ。【保坂恭子】