日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が、侍ジャパンでも主役となるべく、指揮官へ猛アピールした。17日、阪神との練習試合に「5番一塁」でフル出場。稲葉監督が視察に訪れる中、5打数2安打2打点と躍動した。今日18日に発表される3月9、10日のメキシコ戦(京セラドーム大阪)のメンバーには内定しており、自身初の侍トップチームでも、活躍を予感させた。

   ◇   ◇   ◇

熱烈な阪神ファンをも味方に付けた。清宮が、待望の“今季初打点”を挙げた。3回1死一、三塁の第2打席。「追い込まれてからも、しっかり振れた」。阪神藤浪の7球目、139キロ直球系を、痛烈にはじき返した。地を這う中前適時打に、スタンドが敵味方なく沸いた。「素晴らしい投手ですし、実績のある方から何とか打てて良かった」と喜んだ。

バックネット裏の一室では、侍ジャパンの稲葉監督が見つめていた。今日18日には3月9、10日の強化試合メキシコ戦のメンバーが発表されるが、清宮はその1人に内定している。「(稲葉監督の視察に)いつも通り、とは思っていました。そこは貫けました」。普段通りの心構えで、5回無死二塁では、小野の初球141キロを右前適時打。今季の実戦で初の複数安打をマークし「積極的にいけた。悪くないかなと思います」と納得した。

御前試合で5打数2安打2打点と奮起。キャンプ中の実戦4試合目で、持ち味の打撃が調子を上げてきた。「(バットの)芯に当たる確率が増えた。徐々に状態も上がってきている。いい方向にいけているかな」。試合前練習のフリー打撃では、バックスクリーン右奥にそびえる崖へ打球をぶつけ、虎党を驚かせた。敵地のファンをも魅了する一振りが、今後のジャパンを背負っていく清宮の最大の魅力だ。

栗山監督も「ボールの見方が、だいぶ進んだ」と評価。稲葉監督からも「遠くに飛ばす能力」を褒められ、清宮は「自分の売りでもありますし、追い求めていきたい」と力にした。2年目の開幕前に控える国際舞台へ、気負いはない。「どの環境でも、自分のプレーをするだけ」と静かに、大舞台を待つ。【田中彩友美】

▽侍ジャパン稲葉監督 今年初めて本人と会って、見た。ああいう点数が欲しい場面で、しっかり結果を残す。ここまで非常に順調にきているなという印象ですね。(魅力は)打撃でしょうね。練習でも遠くに飛ばす能力は、非常に良いものを持っている。高い目標を持ってもらって、これからもやってもらいたい。