楽天は25日、沖縄・コザしんきんスタジアムで広島と練習試合を行い、4-1で勝利した。楽天の先発は広島から移籍した福井優也投手(31)。古巣を相手に3回を無失点に抑え、好調をアピールした。10年にドラフト1位で入団し、15年には9勝を挙げた右腕も、昨季はわずか3試合の登板で未勝利に終わった。心機一転、今季からパ・リーグに舞台を移し、再起を目指す。

   ◇   ◇   ◇

「楽天の福井」が、古巣相手に持ち前の粘り強さを見せた。毎回安打を許し、ボールが先行する苦しい内容も、要所をきっちり締め、3回を無失点に封じた。

福井 しっかり結果を出すことを考えていた。投げにくい部分もあったけど、もう敵なので、しっかり腕を振ることだけを考えていました。

初回から力が入った。広島1番の田中広輔内野手(29)は年齢も近く親しい関係だが、勝負となれば手加減はない。フォークを鋭く落として空振り三振。「粘ってくるいい打者なので、三振をとれてよかった」。その後、1死一、二塁のピンチを招いたが、4番鈴木を三ゴロ、5番松山を中飛で斬って取った。「3ボールが多く、球数が多くなったのは課題。次はテンポよく投げていきたいですね」と先を見据えた。

昨季はプロ入り後最少となる3試合の登板に終わり、11月に菊池保則投手(29)とのトレードで、楽天に加入した。今キャンプでは初日からブルペン入りし、若手のように飛ばした。20日の日本ハムとの練習試合では、早大で同期の斎藤佑樹投手(30)と投げ合い、1回を無失点。「傷のなめ合いや慰め合いをするつもりはない」と話し、あくまで結果にこだわる姿勢を示してきた。

実戦2試合で4回無失点の右腕に、平石監督も「しっかり打者に向かっていた。(開幕ローテ)候補の1人だと思っています」と明言。まずは開幕ローテをつかみ、新天地となる杜(もり)の都で、もう一花咲かせるつもりだ。

【鈴木正章】