レジェンドの教えを、しっかりと胸に刻んだ。日本ハム清宮幸太郎内野手(19)が22日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で、親交のあったマリナーズ、イチロー外野手(45)の現役引退を惜しんだ。昨年12月に神戸市内で一緒に自主トレを行う機会に恵まれた。「素晴らしい方でした。人付き合いにしても、野球に対しても。(見習いたいのは)姿勢です。(行動の)1つ1つが、すごく丁寧」。次代のスター候補は、世界的スターから多くを学んだ。

東京北砂リトルで世界一になった12年、13歳の時にヤンキースタジアムで初対面した。21日の試合は、ルーキー柿木をはじめとした後輩らと勇翔寮内でテレビ観戦。「ばっちり見ていた。日本人として、やっぱり見なければいけない瞬間。家族は東京ドームへ見に行っていて、うらやましかった」。イチローの最後の2打席は、テレビ越しにスマートフォンで動画撮影した。「偉人。語り継がれる人。そういう人と同じ時に生き、野球をプレーしていることは幸せ」と、感慨に浸った。

自身は右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、リハビリに明け暮れる日々。この日、キャッチボールを再開するなど、少しずつではあるが復帰へ向けて歩を進めている。これまで幾多の限界に挑み、多くの人に惜しまれながら現役を終えた背番号51の姿に「こうなりたいと思ったし、そう思わないと野球人としておかしい。目指すべきところ」と、刺激を受けていた。【中島宙恵】