関西学生野球秋季リーグが京都市のわかさスタジアム京都で開幕し、阪神、巨人が今秋ドラフト1位候補に挙げる近大・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)が、12球団23人のスカウトが視察する中、強烈な二塁打でアピールした。また関西6大学野球も大阪市の南港中央で秋季リーグが開幕。新型コロナウイルスのため、春季リーグが中止となったが、1年ぶりに公式戦が始まった。

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厳しい内角攻めに3打数無安打だった近大・佐藤のバットが9回の最終打席に快音を響かせた。2点を追う1死走者なし。外角145キロ直球を逆方向の左翼へライナーではじき返すと、“佐藤シフト”で左翼手が中堅寄りに守っていたのを見て、50メートル6秒0の快足を生かして二塁打にした。

名前は出していないが巨人がすでにドラフト1位指名をにおわせている。阪神は和田テクニカルアドバイザー(TA)をはじめ12球団最多の6人で視察。「スイングスピードがあるし、当たれば飛ぶ。何より振れるところがいい。守れるし足もあるし、スケールが大きい選手」と絶賛した。

前日4日にプロ志望届を提出した佐藤は「(意中の球団は)特にない。どこでも」と改めて12球団OKの姿勢を示し、この秋季リーグでさらに評価を高めていくつもりだ。新型コロナウイルスのため春が中止となり、1年ぶりのリーグ戦。「久しぶりに独特な雰囲気を感じた。試合中に(打撃フォームを)多少、修正はできた」と修正能力も披露した。

開幕戦は1点差で惜敗し、黒星スタート。この秋は従来の勝ち点制ではなく10試合の勝率制で優勝を争うため、痛い1敗となった。「そこが一番の反省。明日はしっかりと勝ちきりたい」。厳しいマークを乗り越え、18年秋以来の優勝を置き土産にする。【石橋隆雄】

◆佐藤輝明(さとう・てるあき)1999年(平11)3月13日生まれ。兵庫県西宮市出身。仁川学院(兵庫)から近大へ進学。2年春から3季連続ベストナインに選出(2年春は外野手、2年秋と3年春は三塁手)。リーグ戦通算11本塁打。187センチ、92キロ。右投げ左打ち。