“ドラ1”にふさわしい投球をみせた。日本ハムがドラフト1位指名を公表した日体大・矢沢宏太投手(4年=藤嶺藤沢)が東海大戦に先発。8回を3安打2失点でリーグ戦通算13勝目を挙げた。矢沢は「いつもより集中して投げられたかなと。回を重ねるに連れてバランス良く投げられました」と振り返った。

得意のスライダー、特に良かったというチェンジアップなど、変化球主体の投球で7奪三振。与四球3と安定感をみせた。2-0の2回2死二塁、東海大7番の成瀬脩人内野手(3年=東海大菅生)に2ランを浴びたが、与えた長打はその1本のみ。視察した日本ハム山本一徳アマスカウトグループ長も「(直球、変化球)両方いい。強いボールが投げられますし、スライダーもいいものがある。負けん気が強そうな選手」と話した。

藤嶺藤沢(神奈川)時代に指名漏れを経験して以来、ドラフト1位は目標だった。矢沢は「すごくうれしく思います」と公表を素直に喜んだ。二刀流の継続については「スカウトの方とは『評価していただいている方で勝負したい』と話していました。その中で日本ハムさんは『どっちの可能性を求めてもいいんじゃないか』と。自分の能力を最大限生かしていければ」と、引き続き投打ともに成長を目指す。

古城隆利監督(53)は好投を「1位宣言をしていただいたので、『ドラフト1位の投球をしないかんな』と話していました。情けない姿は見せたくなかったんじゃないですかね」と振り返った。話題性だけではない実力派二刀流が、投手としての本領をみせた。【阿部泰斉】