ソフトバンクの柳田悠岐外野手(37)が亡き恩人へささげるアーチを決めた。1点リードの5回1死一、二塁の場面。「チャンスだったので何とかしようと」。1ストライクからの2球目だ。真ん中低めスライダーをすくい上げた。バットを手に持ったまま、高々と舞い上がった打球の行方を目で追う。数秒後、ゆっくりと一塁へ駆け出し、スタンドインを確信。右翼席中段へ今季17号3ランを運んだ。
負けられない一戦だった。6年前の20年9月15日。コンディショニング担当を務めていた川村隆史さんがくも膜下出血で急死した。55歳だった。「川村さんのおかげで野球ができているので」。21年以降の命日は出場3試合連続で1発を放ち、計3戦で打率4割1分7厘。感謝をバットに乗せ、特別な日に結果を残し続ける。また毎年オフには中村晃が主体となって「川村さんをしのぶ会」を開催している。去年12月は柳田をはじめ、OBたちも参加。川村さんとの思い出を語り合った。
チームも同日は24年から3連勝とし、今季最長タイの7連勝を決めた。リーグ3連覇へ勢いは増すばかり。さらに2位西武が敗れたため、優勝マジックはいよいよ「3」。最短17日にも歓喜のゴールテープを切る。ベテランは試合後のヒーローインタビューで「また明日いい試合ができるように頑張ります」と声を張った。天国の川村さんも快進撃を続けるホークスの戦いぶりを見ているはずだ。【佐藤究】



