オリックス平野佳寿投手(42)の担当スカウトだった東海大の酒井勉投手コーチ(63)も、長く第一線で投げ続けたプロ野球人生をねぎらった。「本当によく頑張ったなと思います。よくここまで投げてきたし、これからもオリックスを支える存在でいてほしいなと思います」と願った。

球団が引退を正式発表する前に、本人から報告とあいさつを受けた。さびしさと、それ以上に「律義な性格は変わらないなとうれしかったです」と大学時代からほれ込んだ投手の変わらぬ生真面目さが胸にしみた。

平野が大学4年のころは、選手が希望球団を逆指名するドラフト。目玉選手を獲得するためには手段を選ばないような熾烈(しれつ)な競争の中で、オリックスはルールに厳格だった。常勝からもほど遠く、ドラフトにも苦戦した。当時のスカウトのトップだった小林晋哉氏(73)は京産大のOB。平野を逃して「小林さんに恥をかかせるわけにはいかない」と必死の思いで、酒井さんは京産大のグラウンドに通い続けた。

逆指名を得たあとの、平野の言葉が忘れられない。「一番グラウンドに来て下さったのが酒井さんでした。気持ちが伝わってきて、本当に心強かったです」と伝えてくれた。担当の地道でひたむきな努力が実ったことを知った。

「心強かったのはこちらの方です。ここまでの投手に育ってくれて、どれほどの成績を挙げても人としては変わらない。スカウト冥利(みょうり)につきる選手でした」と出会いを喜んだ。

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