今年から日刊スポーツ評論家に加わった里崎智也氏(38)は、初のキャンプ取材に目を輝かせていた。日本ハムでは投内連係の練習を投手だけでやっていたのを見て「この方が効率がいい。野手が入るのはもっとキャンプの後半でいい」と評価した。阪神では3カ所設置された打撃ケージを見て「これ、いいですね」と驚きの声をあげた。

 ともにロッテではやっていなかったこと。引退し、初めて他チームのキャンプを視察したことで見えてきたものは多い。あるチームではブルペンにアップシューズで入っている捕手を発見して驚き、ワンバウンドの球を体で止めにいかないのを見ると「ブルペンでああいうのを止めるのが、1番練習になるのに」と、もったいなさそうにした。

 侍ジャパンの今村司社長からは「この時期のキャンプのブルペンで、どんなポイントを見ているのか?

 」と質問された。「バランスです。いい体のバランスで投げられているか。8割の力で投げているとしたら、ちゃんと8割の球がいっているか」と答え、さらに続けた。「でも、それは実績のある選手だけの特権。それ以外の人は、明日試合があれば、僕、投げられます、というぐらいアピールしないと。できない選手は、僕が監督なら、2軍に落とします」と厳しかった。

 自分が監督だったらどうするか?

 球団社長だったらどうするか?

 レギュラーを争う若手だったらどうか?

 ファンの立場ならどう思うか?

 多様な立ち位置から里崎氏は考える。実りの多い、キャンプ初行脚になっている。【竹内智信】